仕事への不安や不満が妻へ向く

ではなぜ、彼らは妻の仕事や収入に口を出すのでしょうか。妻は仕事や収入についてアレコレ言われると「自分が悪い」と考え込んでしまいますが、実際は夫が悩みや問題を抱えているケースもあります。

現代の日本の労働環境では、出産や育児をするとなれば、基本的には夫婦どちらかが仕事をセーブする必要が出てきます。夫婦で育児をすると決めたのですから、片方が仕事をセーブすることに対しては、お互いの理解が必要でしょう。

むしろ、どちらか一方が自分たちの子どもを育てるために自身のキャリアをセーブするわけですから、そこには思いやりや感謝の気持ちは必要です。

しかし資本主義社会では、「稼ぎがない、もしくは少ない」方の立場が弱くなったり、罪悪感を感じてしまうことがしばしばあります。

稼ぎのある夫側に理解があり、思いやる余裕があればよいのですが、妻には言えない仕事のストレスを抱えていたり、自信を失っていたり、転職を考えていたり、仕事でミスを犯したり…といった場合もあります。

その「仕事に対する不安や不満」の矛先が、妻に向いてしまうことがあるのかもしれません。

ただ、他方では「夫は私の仕事を理解してくれて、家事育児を分担している」「共働きだけどお互い労わりあって週末は好きなワインで乾杯が楽しみ」という夫婦がいるのも事実です。