いまや電車の中や街のいたるところで、ワイヤレスイヤホンをつけた人を見かけますよね。Bluetoothという無線技術で操作できるイヤホンは人気を集めています。その中でも代表的なのがApple社の「AirPods」。発売当時は、耳からのぞく白いプラスチックの細く伸びたデザインから「耳からうどん」なんて言葉も話題になりました。

この記事では、そんなワイヤレスイヤホンが招く「ある問題」についてご紹介します。

ワイヤレスイヤホンって何がいいの?

なんといっても支持を集める理由は、「有線のイヤホンにあるわずらわしさがない」という点です。コードが絡まることもなければ、断線の恐れもありません。ランニング中や、料理や家事をしながらでも、コードのことを気にせずに動けるのがストレスフリーにつながります。ファミリーレストランで音楽を聴いていて、ドリンクバーを取りに行く際も、音楽が流れたまま。いちいちイヤホンを外したりつけたりする必要がないのがうれしいポイントです。

また、収納がしやすいのも特徴です。ワイヤレスイヤホンでも、ピアスのように片耳ずつ取り付けるコードレスのものであれば、専用のケースに収納するだけでいいですし、ネックレスのようなコード付きのものであれば、首から下げてもストレスにならない重さのものが多くあります。「イヤホンどこにやったかな?」と思っていたら、首に下がっていたこともしばしばあるくらいです。

ツイッターにはこんな投稿が。

「朝一のミーティングに出社したままの状態で駆け込んで席に座ったら隣の人がいろいろ小声で話しかけてくるんだけど、全然聞こえない…やべー耳悪くなったのかなって焦ったんだけど ワイヤレスのイヤホン耳にはめたまま エレカシ聴いてた コソッとイヤホン外した #ワイヤレスイヤホンあるある」

ワイヤレスイヤホンは、有線が持つフラストレーションを排除して、装着感も快適な反面で、こんなことも起きるのですね。

ワイヤレスイヤホンのデメリット

便利な面もある一方で、ワイヤレスイヤホンにはデメリットもいくつかあります。

まず、「充電をしなければならない」という点です。基本的にワイヤレスイヤホンはBluetooth接続をします。Bluetoothとは、近距離でデジタル機器のデータ通信をやり取りする無線通信技術のこと。身近なもので言えば、ラジコン本体とそれを操るリモコンをつなげる技術のようなもので、最近は多くの電子機器に組み込まれています。つまり、ラジコンと同じ要領で電気が必要となるため、寝る前にイヤホンを充電し忘れてしまえば、翌朝の通勤中に聴けなくなることもあるのです。

そして、「音質」の問題もあります。有線のイヤホンに比べ、ワイヤレスの場合、音質が劣ることが多いといわれます。有線は直接、耳の近くまで信号が来るため、高音質で出力しやすいのですが、無線の場合は、音の信号を圧縮して転送するなど、複雑な過程を経て初めて聞こえます。スマートフォン側とイヤホン側それぞれの性能や組み合わせによっても大きく違いますが、音質の劣化は避けられないのです。最近はBluetoothの技術も格段に進歩したともいわれますが、確かに音質にこだわりがある人は有線イヤホンを使っている印象がありますね。

また、有線イヤホンに比べ、「値段が高い」という点もデメリットの一つです。Apple社のWebサイトによると、「AirPods」は1万7800円(税別)から。グレードの高い「AirPods Pro」は、2万7800円(税別)から。「興味はあるけれど、イヤホンにそんなお金かけられないよ……」とお考えの方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

そして、ワイヤレスであり高価であるがゆえに、「ある問題」が話題になっているのです。