夫の態度や物言いに委縮していると感じることありませんか?もしかしたら、それはモラハラ(モラル・ハラスメント)かもしれません。ハラスメントとは、「嫌がらせ」や「いじめ」行為を指し(※1)、ドメスティック・バイオレンス(DV)(※2)の一種です。DVというと蹴った殴っただけかと思いますが、心無い言動など精神的なことも含まれます。モラハラとパワハラは混同しがちですが、パワハラはどちらかという職場など仕事上のハラスメントが多いようです。ちなみに、モラルは「道徳」という意味です。
家庭でのモラハラは、受けている側もしている側も比較対象がないので、気が付いていないことが多いのが特徴です。一体どんなことがモラハラにあたるのでしょうか?
共感しない
例えば、こちらが家計のやりくりで困って相談するのに大体の収支の表を見せると「こんな表じゃ何だか分からない」と突き返します。会社じゃなく家庭でのことなのに、仕事と同じレベルを要求します。悩みを共有して「どうしようか」という気持ちを共感してほしいのに取り付く島がありません。共感というのは、その瞬間相手の気持ちになりきることです。ご近所の人やテレビでの虐待のニュースなど「家の外の他人」には共感できるのに、最も身近な他人である妻には共感しないのです。
また、その日あったことを夫にはなす時、こちらも「話したい」という気持ちが逸って前段階の説明をしないことがしばしばあります。話が終わると「何のことだか、全然わからないんだけど」というのです。確かに、こちらも説明不足という非があります。でも「それって、○○のこと?」と普通に聞けばいいのに「また訳の分からない話をしているよ」といわんばかりの対応です。
実は、同じパターンの話を会社の同僚の男性から聞いたことがあります。奥さんが「話がある」というので長々と話を聞いた後「で、結局どうしたの?」と返したら、LINEはブロックされ、1週間ウチの中で口を聞いてくれなかったと笑いながらはなしていました。女性の同僚と思わず「やっちゃったね」と顔を見合わせてしまいました。楽天家の男性なので悲壮感はありませんでしたが、陰気な旦那さんだと結構家庭の空気が重くなるだろうなあ、と思いながら話を聞いていました。
舌打ちする、ため息をつく
コチラが何か失敗した時に、文句こそ言わないけれど「チッ!」舌打ちして気を遣わせます。その舌打ちが怖くて逆らえないという奥さんの話を聞いたことがあります。言語化していないから、それはそっちの解釈だろうといわれればそれまでですが、明らかに威圧感を感じます。威圧的な態度はハラスメントそのものです。
ため息も、言語化されていませんが威圧するツールの一つです。家事をお願いすると返事もせずに「どうして俺がやらなきゃいけないんだよ」というニュアンスたっぷりにします。
妻を悪者にする
休みの日の夕飯など時間を取って食事ができる時に、子供との話が盛り上がっているときに話に加わらない夫、いませんか?口を開いたと思ったら「それって違うんじゃない?」と水を差すネガティブな発言ばかりで、閉口します。
子供と奥さんがちょっとした言い争いになると「君はどうしてそういういい方になるのかな?」と急に子供の肩を持つ立場で乱入してくるのです。仲裁でなく、明らかに子供の肩を持った物いいをします。「お父さん」という立場で、常識を持ち出して奥さんを「攻撃」するのです。常に上から目線でない時が済まないんだろうな、とその都度思います。
相談窓口に行くのも手
子供たちはそんな夫のことをよく見ています。娘が友達に「うちのお父さん、こんなことあるんだ」と愚痴っていたら、全く同じ行動パターンだったとのこと。自分の非は認めない、絶対に謝らないんだそうです。
テレビドラマ「ドクターX」で加治先生(勝村政信)が英語を聞き取れなかったために患者さんのアレルギーが確認できなかった場面がありました。自分が英語のヒヤリングが苦手だということを悟られたくなかったのです。手術後に大門未知子(米倉涼子)に「プライドが邪魔して確認できなかった」と平謝り、それに対し「プライド?恥?ふざけんじゃないよ!そんなゴミみたいなもんのためにあの患者、死なせるところだったんだよ!」と「名言」がありました。この一場面にドキンとしてお父さん多いのではないでしょうか?
モラハラしている側は、自分のプライドを保持するために絶対に謝りません。ハラスメントを受けている側は「自分が悪いからしょうがない」と思いがちです。誰でもハラスメントを拒否する権利を持っています。家庭内のことは相談しづらいのですが、公共機関の相談窓口やスクールカウンセラーに相談すると、自分の家庭を客観的にみられます。怖い夫でも盾をついていいのです。勇気をもって自分の権利を主張しましょう。
参照:
(※1)厚生労働省「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言取りまとめ」
(※2)内閣府男女共同参画局「ドメスティック・バイオレンス(DV)とは」
堀田 馨