とある会社に勤務する中堅社員の主人公。ある日、上司に指示された書類をパソコンで作成しました。使用したのは、いまやビジネスの現場では、なくてはならない「表計算ソフト」。必要な数字と関数を入力するだけで、単純な合計ばかりでなく、複雑な計算も瞬時に行ってくれるという、非常に便利なツールです。

小一時間ほどで書類の作成を終えた主人公。「あとは上司の確認印をもらえば終了…」ということで、プリントアウトした書類を係長のところにもっていきました。係長は、書類を見るなり、「この合計の計算はあっているのか?」と、主人公に聞いてきます。

「はい。合計は『関数』を使っておりますし、計算範囲もあっていました。大丈夫です。」と返事をする主人公。すると係長は、その説明を聞くなり、なぜかムッとした顔になり「そんなん、信用できるか!ちゃんとすべてを電卓で確認しろ!」と、怒り出しました。

「何のための『関数』だよ…」と心の中でつぶやく主人公。そして、いつものごとく脳内で妄想スイッチが入ります。

係長の指示通り、電卓での検算を済ませ、書類を再提出する主人公。「係長、すべての計算結果を電卓で確認しました!」と、電卓を見せながら、書類上の合計欄と数字が一致していることを示します。すると係長は、「よし!では、念には念を入れて、そろばんでも計算をしろ。」と、デスクの引き出しから「そろばん」を引っ張り出しました。しかし、就職したときから、オフィスにパソコンがあるのが当たり前、という世代の主人公にとって、「そろばん」は、ほとんどなじみのないツール。

「すいません。そろばん、できません。」と、謝る主人公に対し、係長は「そんなこともできんのか。仕方ないな。」と他に、確認する確実な方法がないかを考えだします。しばらくして、名案(?)を思いついた係長。「そうだ。近くにそろばん教室があったよな。そこの先生にお願いしよう!」と言うなり、書類とそろばんを主人公に持たせ、近くのそろばん教室に行くるように指示をだしてきました。主人公は「そうですね。それが確実ですね。」と、係長に調子を合わせつつ、そろばん教室に向かいます。

「無駄にもほどがある…。」(妄想終了)