2019年も残り10日ほど、2020年に向けて色々考える時期かと思いますが、ぜひお金の使い方についても考えてほしいと思います。

今回は証券アナリストで経営アドバイザーの垣屋美智子さんが、家や車など大きいものを買う時のポイントを教えてくれました。

※本稿は、垣屋美智子著『使えば増える!お金の法則―ワクワクしながら資産づくり―』(時事通信社)の一部を再編集したものです。

日本人の「新品志向」は非効率!?

私は大学卒業まで海外で生活していましたが、帰国後から常々感じているのは、日本人の「新品好き」です。

自動車を購入するなら新車、自宅を購入するなら新築、といった具合に、特に高額なモノほど新品にこだわっている気がします。車や家ほど高額でなくても、第一子にはお下がりを着せないとか、新居には家具を新調するとか、新しいモノを購入したがる傾向があるように思います。

もしかしたら、日本人は「新品好き」というより、中古品に対してネガティブなイメージを持っているのかもしれません。しかし、これらの新品志向は、あまり意味をなさないだけでなく、非効率なお金の使い方につながります。

たとえば、自動車(=車)。

車は、本来〝移動のための箱〟ですし、使用期間に比例して値段は下がっていく消耗品です。

アメリカでは、新車にこだわって買う人は少ないという印象があります。個人間取引で中古車を売買するというのもよくありますし、最近だと車を所有せずリースするというのも聞きます。

では、消耗品である車を新車で購入するメリットはなんでしょうか。自分の理想通りに、オプション内装がオーダーできること? それなら、内装まで好みの中古を探せないのでしょうか。

恐ろしいことに、新車は納車されてキーを入れてエンジンをかけた瞬間に価値が下がるのですから、2~3年乗られた中古車を買った方がむしろお得なのではと思います。

中古車なら、新品では高すぎて購入できない車にも手が届いたり、予算内で選べる選択肢が広がります。ディーラー保証などもあるので、決して粗悪というわけではないのです。

私の知人に、中古で1年落ちのBMWを購入した人がいます。新車価格の60%で購入したそ うですが、中古で購入したとは思われないようです。彼は「消耗品の買い物としては、このくらいの価格が妥当」と言っていました。

「新」であることに払うプレミアムは妥当か?

持ち家にしても同様です。

日本人は新築にこだわりますが、イギリスでは築100年以上の建物だらけで、そういう古い建物をリフォームして使うのが主流です。

不動産は消耗品ではありませんが、建物や内装部分の価値は下がっていきます。そして、新築の場合、新車同様、「新」の部分に一定のプレミアムが上乗せされています。

「新」プレミアムは、住んだ瞬間になくなってしまうものですから、最初からプレミアムが落ちた物件を買った方が、支払う額に見合う資産を手に入れられると思います。

間違っても、「システムキッチンが気に入ったからこの家を買いたい」などと思わないでください。リフォームすれば間取りさえも変更できるのですから、キッチンの広さや機能は関係ありません。

変わらないのは、立地と日当たりと洪水浸水想定区域かどうかくらいで、それらが納得できるものかどうかの方が建物の新しさより重要なのです。

できれば建物の価値がほぼないくらいの古い物件を購入して、リフォームするのがオススメです。リフォーム代を含めても、新築より値段を抑えられる上に、住み心地のよい家になると思います。

ちなみに、私も家を中古で購入し、リフォームしました。住み始めて8年がたちます。

若い夫婦が中古マンションを購入するというのが珍しかったのかもしれません。当時は、「ずいぶん若い方が引っ越してきたんですね」とご近所に驚かれました。

高騰している都心の新築マンションよりも割安に手に入って、自分の好きなようにリフォームができたので、大満足です。

お金を効率よく使いたければ、何かを購入する際には、この対価に「新」プレミアムがどれだけあるかを考えてみてください。中古マーケットも存在して、「新」プレミアムの価値にさほどの妥当性を感じないのであれば、むしろ中古を検討するべきだと思います。

ルール:新品にはプレミアム価格が上乗せされて高くなっているので、 中古マーケットがあればぜひ検討すべき