アメリカでは、新車にこだわって買う人は少ないという印象があります。個人間取引で中古車を売買するというのもよくありますし、最近だと車を所有せずリースするというのも聞きます。

では、消耗品である車を新車で購入するメリットはなんでしょうか。自分の理想通りに、オプション内装がオーダーできること? それなら、内装まで好みの中古を探せないのでしょうか。

恐ろしいことに、新車は納車されてキーを入れてエンジンをかけた瞬間に価値が下がるのですから、2~3年乗られた中古車を買った方がむしろお得なのではと思います。

中古車なら、新品では高すぎて購入できない車にも手が届いたり、予算内で選べる選択肢が広がります。ディーラー保証などもあるので、決して粗悪というわけではないのです。

私の知人に、中古で1年落ちのBMWを購入した人がいます。新車価格の60%で購入したそ うですが、中古で購入したとは思われないようです。彼は「消耗品の買い物としては、このくらいの価格が妥当」と言っていました。

「新」であることに払うプレミアムは妥当か?

持ち家にしても同様です。

日本人は新築にこだわりますが、イギリスでは築100年以上の建物だらけで、そういう古い建物をリフォームして使うのが主流です。

不動産は消耗品ではありませんが、建物や内装部分の価値は下がっていきます。そして、新築の場合、新車同様、「新」の部分に一定のプレミアムが上乗せされています。