お手入れや正しい使い方をせずに家事負担の軽減にはならない

こうした話を筆者の友人たちにも聞くと、とある友人の旦那さんは、食洗器の作業を積極的にやってくれるものの、“食洗機不可”の器や調理器具をしょっちゅう食洗機に入れてはダメにしてしまっていると言います。

またもう一人の友人の旦那さんは、「夕ご飯は自分が用意するから」と、共働きである友人を気遣ってくれるものの、スーパーで買ったお惣菜をしょっちゅうプラスチックのパックに入ったまま電子レンジへ入れるのだとか。

パックが溶けて変形するだけでなく、お惣菜にも付着したり部屋に強烈な臭いが充満したりするのに、「ささっとレンジで温めれば大丈夫っしょ」と、改善する気がないのだそう。

夫の家事について何か言うと、「やってくれているのだから文句言うな」という意見があるでしょう。筆者もその意見にはもちろん賛成するのですが、やり方が気に入らないことと自分の家事負担や心労が増えたり家電や器などがダメになったりすることはまったく別の話。やり方がどうであれ、結果がちゃんとしていれば筆者もこんなにモヤモヤはしないと思うのです。

家事の負担を減らし、生活を豊かにしてくれる便利家電。しかし正しい使い方をしなければ、人間が作った機械に人間が振り回されるという状況になってしまうだけでなく、むしろ家事負担が増えるという本末転倒な結果になってしまいます。

「便利家電さえあれば、家事負担の問題がすべて解決する」と過信せず、やるべき作業を怠らずに上手に使うことは男女問わず、現代人すべてに求められているのかもしれません。

【参考】「手指のあかぎれ・さかむけ・切りキズ」に関する調査(株式会社東京甲子社)

富士 みやこ