子どもにとっては難しすぎるサンタを取り巻く物理や経済について前のめりになって話す父の姿を見て、筆者は当時幼稚園児ながら「すごく大事な話をされている」と感じたことを覚えています。

最後に、「幼稚園では先生や友達から、本当はいないのに『サンタはいる』と言われるかもしれない。そう信じている人には『それはウソだよ』と言わず、『そうなんだね』と返しておきなさい。そしてクリスマスプレゼントは、お父さんとお母さんが一生懸命働いて買うものなんだから。予算内でしっかり選びなさい」と念を押されました。

そして次の日のお風呂ではキリスト教について話し出した父。数日後、「サンタよりも、この人のことを勉強しなさい」とイエス・キリストの半生を描いた伝記漫画を買ってきてくれたのを覚えています。

なぜ両親は、子どもに「サンタ」という夢を見させなかったか

小さな子どもがいると、クリスマスの夜にサンタの仮装をするお父さんもいますが、もちろん筆者宅ではそんなものはありません。クリスマスの夜には、事前に一緒に選んで買ったクリスマスプレゼントを筆者たちきょうだいは両親から直接渡してもらっていました。