「泣きながら『お袋がいつも酷いことをしているのはよくわかっている。でも寂しいんだろうなと思ったら、何も言えない』って。もう呆れちゃいましたね。『この人、何言ってるんだろう。夫に守ってもらえない妻は、いったい誰が守ってくれるというの?』って」

その日を境に、元ご主人への愛情が冷めていくのを感じたC子さん。そうなると、どんどん彼の顔を見るのもイヤ・・・という状態に。「そうやって私に謝ることで、彼は私に我慢してほしいと思っていたんですよ。そういえば私が我慢するはず、って。なんて卑怯なんだろうと思いましたね」

元ご主人への嫌悪感が増す一方、「あんなに大好きで、一生を共にしたいと思った人を嫌いになるのはイヤだ」という複雑な感情を抱いていたC子さん。悩みに悩んだ末、出した結論が「離婚」でした。

「確かに頼りなくて卑怯な彼のことは、許せないと思いました。でもその一方で嫌いになりきれない、彼のことを嫌いになりたくない自分がいたんです。お母さんの問題さえなければ、私はずっと彼のことが大好きでいられたはず。ということは、もう一度お母さんに煩わされない関係になればいいんじゃないかなって」

最初は離婚を拒否していた元ご主人。しかし「このままだとあなたのこと『死んでほしい』っていうくらい憎んでしまうと思う」というC子さんの言葉が決め手となり、離婚に合意。

「私自身は、ふたりの関係が『夫婦』ではなくなるだけで、これからもずっと彼とは交流を続けるつもりだったので、財産分与などは何も考えていませんでした。でも彼が『いろいろ迷惑かけたから』と、まとまったお金をくれました。まぁ慰謝料ですね」