通常のアニメより映画重視にシフトチェンジする予感

少子化が進む時代、子供向け番組が増えていくことは考えにくいでしょう。そうした現実を踏まえると、視聴者層が減っているなかで子供向けのアニメをゴールデンタイムに放送する意義はあまりないのかもしれません。

その一方で、アニメを取り巻く状況は必ずしも厳しいとはいえません。ドラえもんとクレヨンしんちゃんの映画は毎年大ヒットしています。

ドラえもんの映画は、2018年の『のび太の宝島』、2019年『のび太の月面探査記』ともに50億円以上の興行収入を叩き出しており、クレヨンしんちゃんも2019年の『新婚旅行ハリケーン〜失われたひろし』が約20億円の興行収入を記録しています。

この2つの作品はともにキャラクターの認知度が高く、テレビアニメを見ていなくても映画を楽しめる特徴があります。普段のアニメ放送より映画に力を入れた方が得策と判断し、曜日と時間変更に舵を切った側面もあるのかと思ったりもします。

しかし、映画の告知を最初に目にするのもテレビ経由が一番多いはずです。土曜の夕方に移ったことで、上映公開日や内容を知る手がかりを失った層が果たして映画館に足を運ぶのでしょうか。

ドラえもんとクレヨンしんちゃんの移動の審判は、新作映画の興行成績で下されるのかもしれません。

中山 まち子