三井住友FG、上期純利益は前年比407億円減 低調な市場環境により資産運用ビジネスが減益に

2019年11月19日に行われた、株式会社三井住友フィナンシャルグループ2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社三井住友フィナンシャルグループ 取締役 執行役社長 グループCEO 太田純 氏

2020年3月期第2四半期決算説明会

太田純氏:太田でございます。常日頃より当社をご支援いただきまして、厚く御礼申し上げます。

本日は、まずご報告がございます。この度、私どもは日本証券アナリスト協会が主催する「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」において、銀行部門の第1位となりました。また、日本IR協議会主催の「IR優良企業賞」にも選定されております。

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どちらの賞も、当社としては2度目の受賞ですが、私としては2015年にCFOになって以来、5年間IRに携わってきて、初めての受賞となります。

私にとってのIR活動は、投資家・アナリストのみなさまに有用な情報を開示する場であることはもちろんのこと、双方向で建設的なコミュニケーションを通じて、当社の持続的な成長や企業価値の向上を実現するためのヒントを得る場でもございます。

だからこそ、CFOの時はもちろん、CEOとなったいまでも、IR活動が私のもっとも重要なミッションの1つと考えており、その活動においてこのような賞をいただいたことは、大変名誉なことだと感じています。

もちろん、今回の受賞は、ここにお越しのみなさま方の継続的なご支援があっての賜物であり、厚く御礼申し上げますとともに、さらなる情報開示の充実に今後も努めてまいります。

1.業績サマリー

それでは本論に入ります。本日のアジェンダは、まず決算総括として上期決算のサマリーと2019年度業績目標の修正についてご説明申し上げます。その後、中期経営計画の進捗と今後の取り組み、ESG、資本政策、そして最後に私がCEOに就任してから取り組んでいる企業カルチャーの変革についてご説明いたします。

それでは、まず上期決算のサマリーです。親会社株主純利益の通期業績目標に対する進捗率は62パーセントとなりました。

(スライドの)表の4行目の連結業務純益は、海外金利の低下をとらえた債券売却益の計上により、市場事業部門は好調であったものの、低調なマーケット環境によってマーケティング部門の業績が下振れ、5,546億円となりました。

一方で、与信関係費用の下振れ、さらには政策保有株式の売却益の上振れもあり、(スライドの表の)10行目の親会社株主純利益は4,320億円となりました。

2.2019年度の業績目標

2019年度の業績目標です。連結業務純益は1兆1,350億円と、5月に公表した目標から450億円引き下げております。

今年度期初の段階では、前年度の下期に大きく悪化した市場環境が、年間を通して緩やかに改善に向かうものと想定しておりました。そのため、連結業務純益についても、上期は5,400億円、下期は6,400億円と、下期の計画を上期よりも1,000億円高く設定いたしました。

しかしながら、今年度上期は円高の進行、日経平均株価の伸び悩み、さらに米中貿易摩擦等による低調な市場環境の影響を受けて、マーケティング部門を中心にトップラインが伸び悩みました。

私は今年度の期初から、「今年度の目標については業務環境に応じて柔軟な対応をとっていく」と申し上げてまいりました。今回、連結業務純益の年間目標を引き下げたのも、今後も先行き不透明な環境が続くと判断してのことです。

今回の引き下げは、為替等の前提を見直した上で、ざっくりと申し上げれば、資産運用ビジネスの下振れで250億円、為替の円高影響で200億円の減益を織り込んだものです。ただし、引き下げ後も再編影響で約600億円の下振れがあることを考えますと、それを除いたベースでは前年度を上回る水準を維持しております。

一方で、親会社株主純利益の目標は7,000億円のまま据え置きました。これは、政策保有株式の売却益の上振れ等を見込んでいることによるものです。

1.中期経営計画の進捗

続きまして、中期経営計画の進捗と今後の取り組みをご説明いたします。まず中期経営計画の進捗です。

財務目標については、(スライドの)下段のグラフにお示しのとおり、左側のROEと右側のCET1比率は順調に推移しております。一方で、中央の経費率は、後ほど詳しくご説明いたしますが、トップラインが下振れた影響もあり、上期は62.1パーセントとなりました。

2.事業・アセットポートフォリオの転換

具体的な取り組みについて、ご説明申し上げます。まずは事業・アセットポートフォリオの転換です。

(スライドの)左側にお示しのとおり、現在の中期経営計画では、事業再編をスピーディに実施し、グループ体制の最適化および資本・資産効率の向上を図ってまいりました。

また、我々の競争優位性及びビジネスの成長性に基づいて、(スライドの)右上にあるとおり、事業ポートフォリオを4つの象限に分類しました。

この分類に沿った具体的な取り組み例としては、例えば左上の象限の「Enhance」に該当する住宅ローンは、競争優位性はあるものの、金利競争が激しく、成長性が高くないため、効率的な運営を追求していくビジネスと位置付けております。

したがって、優良なお客さまに効率的にアプローチできるよう、店舗における有人での住宅ローンの取り扱いを縮小させ、Webによる申込サービスを推進しております。

次に、右下の象限の「Build」に該当するアセットマネジメント業務は、成長性はあるものの、当社の競争優位性が高くないため、経営資源を投入してつくり上げていくビジネスという位置付けです。

これまでは国内の基盤強化を進めてまいりましたが、今年(2019年)8月に、アジア・新興国株の運用に強みを持つ英国のTT Internationalの買収を発表し、海外における本格的な展開をスタートいたしました。

3.経費コントロール

続きまして、経費コントロールです。2019年度上期までで、主要施策を通じて465億円の削減を実現しており、中期経営計画の目標である500億円を超過達成する見込みです。また、国内の人員は3年間で約4,300人減少することを見込んでおります。

一方、(スライドの)右上にお示しのとおり、経費率はトップラインの下振れもあり、2019年度上期は2018年度より悪化しています。

CEOが國部から私へと代わった最初の年に経費率が悪化していることで、みなさんのなかには「太田は経費コントロールの意識が低いのではないか」と心配なさっている方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはございません。私は、CFOであった時代から、継続的な経費コントロールは当社の強みである効率性を維持していくために不可欠なものと考えております。

(スライドの)右下のグラフにお示しのとおり、主要施策に加えて、グループ再編を中心とする事業ポートフォリオの転換により、この3年間でグループ全体の経費の実額は減少する見込みです。

しかしながら、厳しい業務環境は今後も続いてまいりますので、現在議論している次期中期経営計画においても、聖域のないコスト構造改革に取り組んでいく所存です。具体的な取り組みについては、現在鋭意検討しておりますので、来年(2020年)5月の中期経営計画の発表に合わせて、まとめてご紹介したいと思っております。

4.キャッシュレスへの取組

次に、キャッシュレスへの取り組みです。キャッシュレスに関する私どもの戦略は、日本のキャッシュレス決済市場におけるリーディングカンパニーというステータスを最大限に活用し、130兆円という巨大な現金決済市場に切り込んで、日本のキャッシュレス化を推進していくというものです。

事業者に対しては、後ほどご説明する「stera」や「Custella」といった決済インフラの提供を通じて、キャッシュレス決済への切り替えを推進してまいります。

また、利用者のみなさまに対しては、モバイルアプリの機能拡充やクレジットカードへのタッチ機能搭載といったサービスの強化により、利便性の向上を図ってまいります。

4.キャッシュレスへの取組 ①次世代プラットフォーム「stera」

本日は、事業者に対する取り組みとして、最近発表した新たなサービスを簡単にご紹介します。まずは、次世代決済プラットフォーム「stera」です。

日本では、これまで決済センター、ネットワーク、アクワイアラーといった機能において、運営事業者が分かれておりました。さらに、リアルな店舗とオンラインの店舗の決済システムも分断されており、これが加盟店側のスムーズなキャッシュレス決済の導入を阻害する一因となっておりました。

「stera」は、三井住友カードがGMOペイメントゲートウェイ、Visaと共同で構築した決済プラットフォームで、店舗の決算端末やECサイトの決済システム、決済センター、ネットワークまで、決済で必要とする機能をワンストップで提供するほか、利用者のあらゆる決済手段にも対応いたします。

これにより、加盟店は多様な決済手段をリアルな店舗・ECサイトに関係なく、一元的に導入・管理することが可能となります。さらに、1台の決済端末で、利用者が希望するあらゆる決済手段を受け入れることができます。

「stera」の先進的なサービス、決済プラットフォーム機能の内製化、そしてスケールメリットを活かしたコスト競争力により、5年・10年という時間軸で申しますと、アクワイアリングの取扱高を、現在の10兆円から30兆円まで伸ばしていきたいと考えております。

4.キャッシュレスへの取組 ②データ分析支援サービス「Custella」

次に、データ分析支援サービス「Custella」です。「Custella」とは、「Customer」と「Intelligence」をかけ合わせた言葉です。近年、情報産業化の進展に伴い、さまざまなデータが各企業に蓄積されるようになり、データの利活用が企業の競争力向上のカギを握るようになってきております。

一方で、データの有効な活用方法に悩んでいる企業や、自社が保有するデータだけでは十分な分析を行えないといった企業が多くあります。

そこで、私ども三井住友カードが保有しているデータを、お客さまの属性や購買活動等、さまざまな切り口で集計し、「見える化」するツールとして、「Custella」の提供を始めました。これは、キャッシュレスデータを活用した日本初の顧客行動分析サービスとなります。

具体的なサービスとしては、(スライドの)右側にお示しのとおり、オンライン分析ツールの「Custella Insight」、そしてオーダーメイドの分析を行う「Custella Analytics」の2種類がございます。

「Custella」による分析結果に加えて、三井住友カードが持つさまざまなソリューションも活用し、お客さまが抱えるマーケティング上の課題解決に貢献していきたいと考えております。

5.事業部門別取組 リテール事業部門①

続きまして、各事業部門について、おもな取り組みを中心にご説明申し上げます。まず、リテール事業部門です。

リテールビジネスについては、新規プレイヤーの参入等による競争激化、手数料率の低下が続いていくと見ており、今後、トップラインを大きく伸ばしていくことは難しいビジネスだということを痛感しております。そのため、損益分岐点を引き下げるための取り組みを進めております。

次世代店舗への移行については、(スライドの)左側にお示しのとおり、全430店舗中、(2019年)9月末時点で333店舗が完了しております。今年度中に予定どおり全店の移行が実現する見込みです。

コスト削減効果についても、すでに年間で145億円程度を実現し、累計での損益もプラスに転じております。

また、今年9月には、みなさまご存知のように三菱UFJ銀行との店舗外ATMの共同利用も開始いたしました。両行が隣接している拠点を廃止していくことで、相応のコスト削減効果を見込んでおります。さらに、今後は対象となるATMの拡大や、他の銀行との提携を検討してまいります。

次に、(スライドの)右側にお示しの資産運用ビジネスは、収益面では苦戦いたしましたが、棒グラフのとおり、ストック収益資産の残高は着実に増加しております。この取り組みをさらに進め、販売手数料に依存したビジネスモデルからの脱却を図ってまいります。

5.事業部門別取組 リテール事業部門②

次に、コンシューマーファイナンスです。5月の説明会でもお伝えしたとおり、このビジネスは、業界トップクラスのシェアとノウハウを有し、低金利環境下においても収益性の高いビジネスとして、リテール事業部門の収益を支えています。

(スライドの)右側の表にお示ししたグループ全体のカードローン残高も、健全な資金需要にお応えすることで、引き続き堅調に拡大しています。

5.事業部門別取組 ホールセール事業部門①

続きまして、ホールセール事業部門です。(スライドの)左側に、部門の粗利益とその内訳をお示ししておりますが、一番下の貸金収益が、今年度上期に、実に10年ぶりに前年比増益となりました。

これは、貸残高が確実に増加していることに加え、LBOファイナンスをはじめとした高付加価値の貸金を投入した結果、採算にこだわった運営が実現し、利鞘のマイナス幅が縮小したことによるものです。

また、(スライドの)右上にお示しのとおり、この上期は中堅・中小企業向け貸金において、新規の貸出利鞘が全体の利鞘を上回っております。

(スライドの)左側に戻りまして、非金利収益は、厳しいマーケット環境のなかで、この上期は減益となっていますが、この数年間で見れば外為・為替手数料等、アセットに依存しないビジネスを伸ばしてきております。

また、(スライドの)右下のグラフにお示しのとおり、経営課題解決型ビジネスへの転換を進めております。金利収益の減少に歯止めがかかるなか、非金利収益をさらに増強できれば、11パーセント強のROEを誇る事業部門の収益力を、一層高めることができると考えております。

5.事業部門別取組 ホールセール事業部門②

また、お客さまのニーズや経営課題に対応するため、外部パートナー企業とともに、B2Bのプラットフォームの構築を進めています。

(スライドの)右側は、これまでにリリースした具体的な取り組みです。オンライン上でビジネスマッチングを行う「Biz-Create」、弁護士ドットコムと共同で、クラウド上で電子契約サービスを提供する「SMBCクラウドサイン」、コマツおよびINCJとともに、建設業界の中小事業者を支援する金融プラットフォーム「LAND DATA BANK」を展開しております。

(スライドの)左側の円にあるように、パートナーとの共創により、プラットフォームの利便性の向上を図ることで、ご利用いただくお客さまの増加、さらには保有データの拡充に努めてまいります。

それによって、さらにパートナー企業を増やし、プラットフォームの利便性を高める……そのようなデジタルエコシステムの形成を目指しております。

5.事業部門別取組 国際事業部門①

続きまして、国際事業部門です。(スライドの)左上のパイチャートでお示しのとおり、ディシプリンを利かせた運営のもと、資産効率の向上に取り組んでおります。

(スライドの)右上の取引複合化の推進については、SMBC日興証券において、アクティブブックランナー獲得件数が増加しており、粗利益も順調に拡大しています。

また、(スライドの)右下の強みを有するプロダクトについては、市況の過熱感を踏まえた慎重な取り組みにより、ミドルLBOが減益となった一方で、航空機リース等は増益となっており、全体でも前年同期比で増益を維持しております。

5.事業部門別取組 国際事業部門②

次に、アジア戦略です。(スライドの)左側のグラフにお示しのとおり、コアクライアント戦略に基づく収益は拡大を続けており、アジアにおけるプレゼンスは着実に向上しています。

(スライドの)右側はマルチフランチャイズ戦略です。今年(2019年)2月にインドネシアにおいてBTPNとSMBCインドネシアが合併し、リテールとホールセールを手掛けるフルラインの商業銀行が誕生いたしました。しかし、これが完成形ではございません。私どもの戦略は、インドネシアにおいて第2のSMBCグループを確立するというものです。

商業銀行としての業容拡大はもちろんのこと、これに加え、証券やリース、オートファイナンス等も含めた総合金融サービスを提供することで、インドネシアにおけるトップティアの金融機関を目指してまいります。

同時に、ベトナムやフィリピン、インドなど、新たな対象国へのマルチフランチャイズ戦略の展開も検討してまいります。

5.事業部門別取組 市場事業部門

市場事業部門について申し上げます。(スライドの)左側のグラフのセールス&トレーディングについては、昨年度、マーケットのボラティリティ低下を主因に、SMBC日興証券が苦戦しましたが、今年度の上期は巻き返して増益となり、全体でもわずかながら増益となっています。

このセールス&トレーディングは、この先さらなるポテンシャルを見込める事業領域だと考えております。引き続き、インフラ整備や機能拡充を着実に進め、一層の成果をお示ししてまいります。

次に、(スライドの)右側、私どもの経営課題の1つととらえている外貨調達については、今後も安定性に加えて、コストも意識した調達に努めてまいります。

ESGへの取組①

続きまして、ESGについてご説明いたします。環境や社会、そしてこれらの課題の解決を通じた、持続可能な社会の実現に対する世の中の関心が、日増しに高まっております。私自身、さまざまなステークホルダーのみなさまとの対話を通じて、このことを実感しております。

気候変動や少子高齢化、貧困等、いま報道されているようなさまざまな課題は、10年後には明らかな問題となって顕在化するはずです。そうしたなかで、我々も社会の公器としての使命を果たす必要がありますし、ビジネスに対しても大きな影響を及ぼすことから、我がこととして、感度高く取り組んでまいります。

SMBCグループでは、「お客さまに、より一層価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する」という経営理念を掲げておりますが、これは、「金融機能を通じて、お客さまや社会の発展に貢献することで、自らの持続的成長も実現する」という、グローバル金融グループとしての我々の社会的な責任そのものです。

こうした責任を果たしていくために、このスライドにお示しのとおり、さまざまな取り組みを進めてまいりました。

ESGへの取組②

まず、ESGの「E」、環境については、(スライドの)左側にあるように、再生可能エネルギーへのプロジェクトファイナンスなど、本業を通じた環境負荷の軽減に積極的に取り組んでおります。

また、(スライドの)左下にあるTCFD提言への取り組みとして、今年(2019年)4月、グローバル金融機関として初めて、気候変動による財務的影響を試算し、開示いたしました。

次に、「S」、社会については、次世代社会に向けた取り組みとして、全国の中小事業者に対するキャッシュレス決済導入のためのサポートとして、スマートフォンやタブレットに接続するだけのシンプルな決済端末「Square」を推進しております。今年4月から、SMBCの全店舗でも取り扱いを開始しておりますが、非常に好評です。

(スライドの)右下のダイバーシティにつきましては、女性の活躍推進に積極的に取り組んでおり、SMBCにおける女性の管理職比率は、10月には25.3パーセントと、昨年度引き上げた25パーセントという目標をすでに超過いたしました。

ESGへの取組③

最後にESGの「G」、ガバナンスです。2017年に指名委員会等設置会社に移行してから、取締役会の実効性のさらなる向上を目指してまいりましたが、今年(2019年)6月に社内取締役を2名減員し、約半数を社外取締役が占めるかたちとなりました。

社外取締役のみなさん自身が会合のテーマを設定したり、あるいは勉強会を開催する等の動きも活発化しており、体制面での整備の成果が如実に表れてきたと感じています。

ただし、コーポレートがバンスにおいて完成形はないと認識しております。今後も継続的なガバナンスの強化・充実に向けて、不断の努力を重ねてまいります。

1.資本の状況

続いて、資本政策についてご説明いたします。まず、資本の状況です。中期経営計画におけるCET1比率の目標に、2019年3月に1年前倒しで到達したことは、5月の説明会でお話ししたとおりですが、引き続きこの水準を確保しております。

2.資本政策の基本方針

資本政策の基本方針も、これまでと変わりなく、健全性確保、株主還元強化、そして成長投資をバランスよく実現してまいります。また、株主還元は配当を基本としますが、機動的な自己株取得も検討してまいります。

3.株主還元策

株主還元施策です。今年度の親会社株主純利益は、前年比減益を予想しておりますが、1株当たり配当予想は前年の水準を維持し、180円としております。

また、今年(2019年)5月に発表した1,000億円の自己株取得については、8月に取得を完了し、取得完了した株式はすべて消却しております。

4.政策保有株式

政策保有株式です。今年度上期は440億円を削減し、2015年9月末からの累計で、削減額は4,040億円となりました。

さらに、まだ売却を行っていないものの、売却をすでに応諾取得している残高が850億円ございますので、削減額との合計では4,890億円となります。2015年下期からの5年間で5,000億円削減するという計画の達成に、おおむね目処がついたと見ております。

とはいえ、これが最終的なゴールとは考えておりません。株価変動リスクの資本への影響、あるいはコーポレート・ガバナンスコード改訂の趣旨も踏まえて、今後もさらなる削減を目指す方針です。

新しいことにチャレンジする風土づくり

最後に、私がグループCEOに就任してからこだわってきたことの1つとして、企業カルチャーの変革に向けた取り組みについてご説明します。

5月の説明会では、CEO就任にあたり、「果敢な構造改革」「不断のイノベーション」「グループ総合力の最大化」という戦略の方向性をお示ししました。

こうした方向性を実現していくためには、企業風土の変革が不可欠だと私は感じております。そして、従業員には、前例や先入観、固定観念、組織の論理といったものにとらわれず、どんどん新しいことにチャレンジしてほしいと思っております。

こうした新たなチャレンジを支援するために、新規事業を考えるミーティングをいろいろと開催しております。面白い取り組みであれば即断即決して、その場で予算と人員を割り当てます。

いまの私の仕事の一部は「社長製造業」と言ってもよく、(スライドの)左下にお示しした3社をはじめとして、新たな会社をすでに8社立ち上げております。(スライドの)写真にあるSMBCクラウドサインでは、グループで初めて30代の社長が誕生し、中堅・若手の従業員にとって、非常によい刺激となっています。

また、従業員のマインドを変えるためには、まずは社内の雰囲気を変えようと、在宅ワークやフレックス勤務といった働き方改革や、ドレスコードの廃止も行いました。さらに、来年(2020年)1月には、SMBCにおいて一人ひとりの働き方をより尊重する人事制度の改定も予定しております。

今後、世の中はさらにIT化が進み、金融業は情報産業化していくと私は考えております。我々は金融業を起点に考えるのをやめて、「情報産業化した社会のなかで、金融業がどのように新たな価値を創出していくか」という発想への転換を求められていると考えています。

この発想ができる企業であり続けるためには、企業風土を新たに変革していくことこそが非常に大事で、それが私の使命であると思っております。

以上、ご説明してまいりましたが、この下期は現在の中期経営計画の総仕上げを行うとともに、次期中期経営計画に繋がる成長戦略を実践してまいります。投資家、アナリストのみなさまには、引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。ご清聴、ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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