きっと小学校2年生の時点でAちゃんはすでに「目上の人にはなぜ敬語を使うのか」「さん付けとちゃん付けの違い」といったことをしっかり親御さんから教えられていたのでしょう。もっともこれはAちゃんが、自分よりも年上の人がいない4人きょうだいの長女だったということも影響しているかもしれません。

「会ったこともない人、しかもみんなが呼び捨てしてる芸能人にまでさん付けするなんて変だ」と思っていた筆者。テレビに出ている芸能人とは、自分とは関係のないまるでマスコットみたいに特別な生き物のように見えていたので、芸能人を学校の先生や親せきのおじさんのように普通の人間として捉えていたAちゃんのさん付けに違和感を覚えたのです。

しかし、Aちゃんの親御さんは「どんな人でも礼を尽くしなさい」としつけていたのだと思います。なぜ芸能人にもさん付けしなければいけないのか。昨今のSNSやネットを中心とした芸能人に対する誹謗中傷などを見ていると、20年前のAちゃんの親御さんのしつけには先見の明があったと思わざるを得ません。

名前を大切にすることは名づけの親を大切にすること

またAちゃんは友達のことをあだ名で呼びたがらない子でした。筆者の名前が「ゆき」なので何人かの友達が「ゆっきー」と呼んでいた中、Aちゃんは頑なにあだ名呼びを拒否。「ゆきちゃん」とちゃん付けで呼び続けていました。

クラス全員が「りょっぺ」と呼んでいたりょうへい君のことも、「りょうへい君」と呼ぶAちゃん。そこには「親や祖父母が付けてくれた名前を、省略したり変えたりするべきではない。それにあだ名は本人が呼ばれたくない場合もある」と親から教えられているというのが理由でした。