株式市場の振り返り-小動きながら、一時の1,100ポイント割れから切り返すなど、健闘した印象

2016年5月2日(月)の新興株式市場は小動きとなりました。日経ジャスダック平均は前日比▲0.3%の小幅続落でした。一方、東証マザーズ総合指数は僅かながら+0.0%上昇する反発となりました。先週末の日銀金融政策決定会合で追加緩和が見送りとなったことを受けて、大型株(東証1部)は連日の大幅安でしたが、新興市場は健闘した印象があります

東証マザーズ総合指数は、2月12日の急落を大底にして、基本的には一貫して上昇基調が続いてきました。4月21日には約9年ぶりとなる高値も記録し、1,300ポイントの大台も伺う勢いがあったように見られました。しかしながら、高値警戒感、新規の材料不足などが、直近の停滞に繋がってきたと考えられます。2日は一時1,100ポイント割れとなる場面も見られましたが、最後は切り返して前日比+0.9ポイント高の1,132ポイントで終わっています。

なお、2日は連休の谷間に当たったこともあり参加者が少なく、出来高は3日連続で1億株を大きく下回る約6,555万株に止まりました。また、売買代金は概算で1,305億円の低水準であり、騰落数は値上がり84銘柄、値下がり129銘柄、変わらず12銘柄となっています。

医療バイオ関連に反発が目立つ展開、決算発表による株価の大幅変動も散見

2日の東証マザーズ市場における個別株では、大型株を手掛けにくい環境の中、先週末に下落した銘柄を買い戻す動きが顕著に見られました。その中でも、医療バイオ関連に堅調な動きが目立ち、グリーンペプタイド(4594)が+5%、アキュセラ(4589)が+4%と上昇しました。他にも、サンパイオ(4592)+1%、ヘリオス(4593)が+2%と堅調。なお、そーせいグループ(4565)は+0%の僅かな上昇に止まりました。

一方で、大型株同様に、決算発表で株価が大きく動くケースが散見されています。堅調が目立った医療バイオ関連の中でも、決算内容が期待以上となったオンコリスバイオファーマ(4588)が+14%のストップ高となりました。一方、情報通信関連では大幅減益決算となったAiming(3911)が▲17%のストップ安です。

また、懸念材料が出たアウンコンサルティング(2459)は▲10%、アクセルマーク(3624)は▲15%のストップ安となりました。その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が▲1%、Gunosy(6047)は+5%、はてな(3930)は▲1%となり、まちまちの展開となりました。

大型株に見送り機運が高まる中、新興市場は引き続き下値を拾う動きも

5月6日(金)も、大型株は様子見スタンスの強まりが予想されるため、新興市場での下値を拾う動きが続く可能性は高いと見られます。政府の景気対策や、成長戦略のアップデートなどは来週以降になる見込みのため、材料不足であることに変わりはないですが、物色の動き自体は続くと考えていいでしょう。特に、先週末の“日銀逆サプライズ”後、政府の景気対策への注目度は増す一方であることから、景気対策で恩恵がある業種、あるいは、成長戦略に組み込まれそうな業種が物色される展開が見込まれます。引き続き、医療バイオ関連の安くなった銘柄に注目したいと思います。

【2016年5月5日 投信1編集部】

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LIMO編集部