最近では「ポイント投資」や「クレジットカードでの投信積み立て」、「米国発の取引手数料ゼロ化」など、証券業界に新しい動きが次々と出てきています。それは、生活者の投資に対する価値観や関心が変わってきたことの表れでしょう。そこで今回は、最近の個人投資家動向について証券会社社員に聞いてみました。

投資はネットへ。安い手数料も人気の理由

とある対面証券で働くAさんは、「最近ではネット証券が人気。そのため対面証券はどこもオンライン取引に力を入れている」と話します。

国内の証券会社は、対面証券とネット証券に大別されますが、対面証券と比較してネット証券のほうが取引手数料は安くなっています。対面証券は営業マンがいて、金融商品やマーケットなどの投資情報を提供してくれたり、資産運用をサポートしてくれたりするのが特徴です。しかし、その分手数料は割高になっています。

Aさんは「今までは比較的、若者などの小口の顧客はネット証券で、高齢の大口客は対面証券で取引をしている傾向にあったけれど、最近では対面で取引していた顧客もネットに移りつつある。その危機感は対面証券ならどこでも同じでは?」と語ります。

また、最近ではネット証券と連携している独立系ファイナンシャルアドバイザー「IFA」の人気もじわじわと高まってきているのだそう。

さらに、「対面証券もウェブ上でオウンドメディアを作ったり、オンライン取引用の手数料コースを拡充したりしてネットを利用する顧客を獲得しようとしている」と分析していました。