日本でも人気の、麻薬を題材にした米TVドラマ「ブレイキング・バッド」にみるように、アメリカでは郊外の平和そうなごく普通の家庭でさえ、家族の誰かが麻薬を使用していたり、それが原因で亡くなったり…という話は珍しくありません。

また、医者など社会的地位の高い人でもストレスから使用してしまうということも良くあるケースです。

実は何年か前、筆者も友人を1人、ヘロインの過剰摂取で亡くしました。彼は普通の真面目な家庭で育ち、将来は数学の教授になることを夢見る大学院生でした。

彼が、躁うつ病で抗うつ剤や精神安定剤を服用していたのは知っていました。しかし、まさか彼がヘロインに手を出していたとは夢にも思いませんでした。

しばらく会わない間に、他の友人から、彼が麻薬依存症の回復施設で治療を受けていると聞きとてもショックを受けたのを覚えています。

彼は一時、回復治療を終え、教会に通うなど前向きに生活していたのですが、何かのきっかけで、またヘロインを頼ってしまったのです。 

結局は、回復施設を出て半年も経たずにオーバードーズ(過剰摂取)で亡くなりました。友人として、何もできなかった事がとても悔しく、悲しい経験です。

処方薬から始まる悲劇