政府が男性の国家公務員に対して原則1ヶ月以上の育児休暇取得を促す方針を固めるなど、男性の産休・育休取得に対する関心は高まっています。とはいえ実際のところ、共働き夫婦の「仕事と家庭の両立」のため、出産を機に長期休暇の取得や転職などの決断を迫られているのは未だ女性の側であることが多いのが現実です。

今回は、家庭と仕事の板挟みになって悩んでいる、という女性たちの声をご紹介します。

常に子どものことを考えながら仕事をする女性たち

例えば、急な残業や出張、飲み会が入ってしまった場合、男性であれば、妻にひと言断りを入れてそのまま向かうことができるでしょう。けれど、女性の場合はそうはいきません。そんな男女間の「仕事の制約」の違いについて、思うところのある女性も多いようです。

「夫は帰りが遅くなる日にも私に電話一本入れれば済みますが、逆のパターンだととてもそうはいきません。祖父母に子どものお迎えや食事の支度をお願いしておかなければならないので、どうしても必要なときにだけ、それもかなり前から予定が決まっていなければ無理です。飲み会なんてもってのほかで、『その日になって急に』の予定変更に躊躇せず即断できる夫を見ていると、仕方ないと頭では分かりつつも、正直不公平だと感じることはあります」

「仕事中も、保育園のお迎えに間に合うか、寝るまでにあれもこれも家事を終わらせられるのか、予防接種の予約もしなくちゃ…と、常に頭のなかでは子どもや家に帰ってからのことがグルグル巡っています。そんななかで、今ごろ夫は仕事に没頭できているんだろうなぁ…と思うこともありますよ」

ほかにも、子どもが体調を崩したときに病院の受診や看病をするのは母親の場合が多いため、急にお迎えに行かなければいけなかったり、家での療養が長引くときには仕事のスケジュール調整が必要になったりと、心身ともに大変…という声も聞かれます。

夫婦間の「負担の差」が不和の原因に

仕事から帰っても、子供のお世話に家事にと息つく間もないなかで、夫が快く協力してくれないことで「共働きなのに自分だけ負担が大きい」と感じている女性もいます。そんな夫婦関係への不満が膨らんで、家庭内の不和の原因となってしまうこともあるようです。

「義母が専業主婦で『家のことは女性の仕事』という家庭で育ったせいもあるのでしょうが、夫はあまり家事や育児に協力的とは言えません。共働きである以上、家のことも子どものことも夫婦ふたりに責任があって、力を合わせてやっていくものだと思うのですが…。毎日帰宅するなり忙しくしている私の横でくつろいでいる夫にイライラして、正直、仕事熱心な夫のキャリアを応援したいという気持ちも最近は薄れてきてしまいました」

同じように仕事をしている同士、公平な「ギブ&テイク」の関係だと思っていたのに、いつのまにか家事や育児の負担が大きい女性の側からの「ギブ」が多すぎるような気がしてきて、現在の夫婦関係に不満を抱くようになってしまった、というお話でした。その後は、家事も育児も夫婦で協力して「ギブ&テイク」な関係を築いていくべきなのではないか、という話し合いを重ねた結果、以前と比べて夫が家庭のことに協力的になり、互いの仕事をサポートするような体制が整いつつあるそうです。

夫婦間の「負担の差」への不満が不和の原因になっている場合は、相手のキャリアを応援しつつ育児や家事を協力してすすめていけるような関係を築いていくための第一歩として、
まずは女性の側の「どうして私ばかり」「仕方ないから自分が我慢するしかない」と感じていう気持ちを率直にパートナーに伝えていきましょう。

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