7. 【監修者の視点】配分の前に押さえる「3つの確認事項」

iDeCoの配分を決める前には、以下の点について整理しておきましょう。

拠出額が妥当か 家計の余裕資金のうち、無理のない範囲での掛金拠出ができているか
時間軸は明確か 60歳になるまでの年数を把握し、受け取る年齢、取り崩す期間などをあらかじめ決められているか
税制優遇をどれくらい受けられるか 所得控除の金額や運用シミュレーションの結果、受取時に受けられる控除はいくらか

たとえば、所得税率10%、住民税率10%の人が月2万3000円を拠出する場合、年間の掛金は27万6000円です。この場合、所得控除による年間の税負担軽減額は、単純計算で5万5200円になります。

  • 27万6000円×(10%+10%)=5万5200円

2026年12月分からの会社員の上限である月6万2000円を拠出する場合は、年間の掛金は74万4000円で、税負担軽減額は単純計算で14万8800円になります。

  • 74万4000円×(10%+10%)=14万8800円

また、NISAとの併用や役割分担も意識したいところです。iDeCoは60歳まで引き出せませんが、老後資金をつくりやすいのが特徴です。一方、NISAはiDeCoと同じく運用益が非課税になり、いつでも売却して資金の一部を引き出せます。教育資金や住宅資金など、老後資金以外の目的でも使いやすい制度です。

どちらを優先して利用するかは、家計の状況や所得、資金を使う時期などで異なります。自身の家計や資金を用意する目的にあわせて制度を活用しましょう。

8. 【まとめ】「おすすめ配分」は家計と時間軸で決めよう

年代別のiDeCoのおすすめ配分をおさらいしましょう。

30歳代 株式比率を高める積極的な運用を検討
40歳代 株式比率を比較的高く保ちつつ、リバランスで配分の見直しを検討
50歳代 出口戦略を見据えて、比較的値動きの安定した商品の配分を増やすことを検討

ただし、実際の配分は家計の余裕資金や運用する期間、年金や退職金の見通しなども含めて、自分に合った配分を考えるのが望ましいです。

iDeCoは、老後資金の準備をする制度として、長期的に活用したいところです。投資信託などの運用商品には元本割れのリスクがあり、運用の結果も人によって変わるため、必要に応じて配分を見直すことを心がけましょう。

※本記事は2026年6月20日にLIMO&FPで公開した記事を再編集しています。掲載している金額や金利などの情報は、すべて執筆時点(2026年11月)のもので、変更される可能性があるため、最新情報は必ず各公式サイト等でご確認ください。

参考資料

中沢 新