「いけない」と思いながらもスマホを向けてしまう…。今年10月、JR新宿駅で起きた人身事故を撮影する利用客に対し、JRの職員が“モラルを問う”異例の事態に発展しました。なぜダメだとわかっていながら、モラルに反した写真を撮ってしまうのか。今回は、株式会社エアトリが実施した調査を元に、日本人の撮影モラルが低下した原因を探っていきます。

懸念される「撮影モラル」の低下と原因

株式会社エアトリは2019年10月、20代〜70代の男女1,141名を対象に「撮影モラルに関するアンケート調査」を実施。同調査によると、対象者の75.0%が「昨今の日本人のモラルは低下している」と回答しています。

さらに「友達や知り合いがモラルのない写真を投稿しているのを見たことはありますか?」という質問項目において、22.7%が「ある」と回答。概ね4人に1人が、他者への配慮に欠けた写真の目撃経験があるとのことです。日本人のモラル、もっといえば撮影モラルの低下を、身近なところで感じている人は少なくありません。

その原因は一体何なのか。以下の質問項目および回答結果をご覧ください。

撮影モラルが低下した原因とは?

・インターネットおよびSNSの普及(77.0%)
・スマホ(カメラ)の普及(76.0%)
・道徳および倫理教育の不足(65.0%)
・罰則の不足および認知不足(33.4%)
・世間の無関心(24.8%)
・核家族化(10.2%)
・愛情の不足(9.4%)
・その他(6.3%)
・理由はない、わからない(0.8%)

撮影モラル低下の原因として、インターネットやSNS、スマホ(カメラ)の普及に触れる人が大多数となりました。また「道徳および倫理教育の不足」「愛情の不足」といった声も挙がり、人によってさまざまな意見があるようです。

「いけない」と思いながら撮影した人は12.0%

同調査によると、「モラル違反を自覚しながら撮影したことがある」人は、12.0%となりました。具体的な撮影場面として、観光地やライブ会場(イベント会場)、公共交通機関内などが挙げられます。中々行けない・見られない・会えないといった“レアな場面”は、モラル違反を誘発しやすいと考えられます。

またSNSの存在も大きいでしょう。他者の目を引く写真を撮りたい、たくさんの“いいね!”が欲しいなどを理由に、「いけない」と思いながらも撮影してしまう……つまりは承認欲求を起因として、モラル違反を犯しているわけです。自身の承認欲求を充たすために、他者への配慮に欠けた写真を投稿するなど言語道断。そういった人達は、SNSの運用方法から見直す必要がありそうです。

撮影モラルが最も低下する場面とは?