4. 特殊詐欺全体の中で見る還付金詐欺 件数は約6.9%、被害額は約2.0%

4.1 還付金詐欺は、特殊詐欺の中でどれくらいの割合?

特殊詐欺全体に占める還付金詐欺の割合(令和8年9月末、暫定値)3/3

特殊詐欺全体に占める還付金詐欺の割合(令和8年9月末、暫定値)

出所:警察庁「令和8年9月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」をもとにLIMO編集部作成

同じ警察庁の資料で、特殊詐欺全体は認知件数が33329件(前年同期比11.0%増)、被害額が2610.4億円(同22.8%増)でした。

還付金詐欺が全体に占める割合は、件数で約6.9%、被害額で約2.0%です(いずれも算出値)。

全体では件数も被害額も増えています。還付金詐欺は、件数が減り被害額が増えるという、全体とは異なる動きでした。ただし同じ資料では、ニセ警察詐欺も件数が4.1%減、被害額が25.6%増です。件数が減って被害額が増える動きは、還付金詐欺だけではありません。

4.2 ほかの手口と比べると、被害額はどの位置?

同資料には、「その他の特殊詐欺」を含む13区分の手口別の数字が示されています。被害額が大きい主な手口は次のとおりです。

  • SNS型投資詐欺:7580件、991.0億円(被害額は前年同期比27.2%増)
  • ニセ警察詐欺:7334件、842.8億円(同25.6%増)
  • SNS型ロマンス詐欺:4005件、366.5億円(同2.4%減)
  • オレオレ詐欺:3143件、116.0億円(同16.5%増)
  • 架空料金請求詐欺:4718件、107.9億円(同12.6%増)

還付金詐欺の被害額51.2億円は、13区分の中で7番目にあたります。認知件数の2311件は6番目です(いずれも算出値)。割合が小さく見えても、被害額は前年同期より増えています。

なお、全体の集計範囲を説明する注記は資料にありません。ここでの割合は、表の「合計」の行と比べた目安です。

4.3 年ごとの数字で見ると?

全国銀行協会のページには、警察庁の集計をもとにした還付金詐欺の年ごとの認知件数と被害総額(預金等の振込)が、2017年から2023年まで掲載されています。

  • 2021年:4004件、45億1843万円
  • 2022年:4679件、53億6763万円
  • 2023年:4184件、51億2810万円

掲載された期間では、2022年の53億6763万円が最も大きい金額です。令和8年は9月末までの9か月分で51.2億円のため、年間の数字とは単純に比べられません。また、同ページに載っているのは2023年までの数字です。警察庁の統計表では、令和7年の還付金詐欺は認知件数が3179件、被害額が61.9億円と掲載されています。

5. まとめにかえて|「ATMへ」と言われたら、いったん電話を切る

令和8年9月末の還付金詐欺は、認知件数が2311件で前年同期比8.6%減、被害額が51.2億円で同4.5%増でした(暫定値)。

国税庁も全国銀行協会も、還付のためにATMの操作を求めることはないと案内しています。「還付金があります」の電話でATMを指示されたら、いったん切って、家族や公式の窓口に確認してみてください。

国税の還付など税務にかかわる個別の判断は、国税庁や最寄りの税務署の案内でご確認を。

本記事の数値やデータは、令和8年11月4日の執筆時点で確認できた最新のものです。警察庁の数値は暫定値のため、今後の公表で変わる場合があります。制度や手続きの詳細も変わる場合があるため、各機関の最新の案内もあわせてお確かめください。

参考資料