知らない番号から「還付金があります」と電話が来たら、どう受け止めればよいのか迷う方もいるのではないでしょうか。
警察庁が公表した「令和8年9月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」によると、還付金詐欺の認知件数は2311件で、前年同期比8.6%減でした。一方で被害額は51.2億円と、同4.5%増えています。
件数と被害額が逆に動いた点は見逃せません。この記事では、同じ資料の数字と国税庁・全国銀行協会の案内をもとに、還付金の電話を受けたときの確認の軸を整理します。
1. そもそも還付金詐欺とは? ATMの操作を求められたら要注意
還付金詐欺は、医療費や保険料、税金などの「還付金がある」と持ちかけ、ATMの操作を求める手口です。
全国銀行協会は、市区町村などの自治体や年金事務所が、医療費や保険料などを還付するためにATMの操作をお願いすることはないと案内しており、ATMにはキャッシュカードを使って還付金などのお金を受け取る機能がない、という説明もあります。
国税庁も同様に、国税庁(国税局、税務署を含みます)が国税の還付金受取や納付のためにATMの操作を求めることはないと、「不審なメールや電話にご注意ください」で案内しています。
1.1 電話からATMまで、手口はどう進む?
全国銀行協会の「還付金詐欺」のページには、手口の流れが示されています。
まず、市区町村や年金事務所の職員を装って電話をかけ、「医療費の過払い分」「年金の未払い分」を還付すると伝えます。次に、携帯電話とキャッシュカードを持ってATMコーナーで今すぐ手続きをしないと無効になる、と告げて、無人ATMやコンビニのATMへ向かわせる段取りです。
そのあとは、ATMから携帯電話で連絡するよう伝え、電話越しに操作を指示します。受け取る手続きだと思い込ませたまま、実際にはお金を振り込ませる流れです。
2. 還付金詐欺は9月末で2311件・被害額51.2億円 件数は減っても被害額は増えた
同資料で、還付金詐欺の数字を確認します。
- 認知件数:2311件(前年同期比218件減、8.6%減)
- 被害額:51.2億円(前年同期比2.2億円増、4.5%増)
前年同期の値は、資料の差から逆算できます。件数は2311件に218件を足した2529件、被害額は51.2億円から2.2億円を引いた49.0億円です(いずれも算出値)。
前年同期と比べて、件数は8.6%減り、被害額は4.5%増えたことになります。
2.1 件数が減っているのに、被害額が増えているのはなぜ?
理由は資料からは読み取れず、認知件数に未遂が含まれるかといった定義の記載もないため、この記事では1件あたりの被害額は算出しません。
また、数字は暫定値です。確定値で変わる可能性があります。