2. 証券口座の不正取引、2025年4月の「3033件」から2026年9月は2件に
続いて、金融庁が2026年10月9日に更新した「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引の発生状況」を見ていきます。数値は、各証券会社などから報告を受けた発生日ベースの暫定値です。
2.1 不正アクセスは5490件から37件に
証券口座への不正アクセスは、2025年4月の5490件が最も多く、同じ月の不正取引は3033件でした。
その後は減少が続き、2026年9月は不正アクセスが37件、不正取引が2件です。不正アクセスの件数は、ピークだった月の1%未満まで減っていることがわかります。
証券口座への不正アクセスは2025年4月の5490件が最多で、2026年9月は37件まで減った1/2
出所:金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引の発生状況」をもとにLIMO編集部作成
2.2 2025年1月からの合計は不正取引1万642件
2025年1月から2026年9月までの合計は、不正アクセスが1万9252件、不正取引が1万642件です。このうち2025年の1年間で、不正アクセスは1万7717件、不正取引は9861件でした。
不正取引による売却金額は約4372億円、買付金額は約3837億円にのぼります。多くの場合、口座内の株式などを勝手に売却し、その代金で国内外の小型株などを買い付ける手口とされています。
なお、金融庁は、これらの金額は不正取引で生じた顧客の損失額とは一致しないとしています。まだ判明していない不正アクセスや不正取引がある可能性にも注意が必要です。
証券口座を利用している方は、ログインの通知や取引の履歴を見て、身に覚えのないログインや取引がないか確かめてみましょう。パスキーを使っている方は、パスキーを保存しているアカウントの2段階認証も確認してみましょう。
ここからは、金融庁が挙げる5つの留意点と、10月の注意喚起で証券会社が加えた確認のポイントを見ていきます。
3. 証券口座を守るために、金融庁が挙げる5つの留意点
金融庁は、証券会社などのインターネット取引サービスを利用しているすべての人に向けて、次の5つの点に注意するよう呼びかけています。
- 見覚えのある送信者からのメールやSMSでも、メッセージに掲載されたリンクを安易に開かない
- 証券会社のウェブサイトは、正しいURLをブックマークに登録し、そこからアクセスする
- ログイン時・取引時・出金時・出金先銀行口座の変更時の多要素認証や通知サービスを有効にする。パスキー認証などが提供されたら、速やかに設定する
- パスワードを使い回さず、できるだけ長く、推測されにくいものにする
- こまめに口座の状況を確認し、不審な点があれば証券会社の窓口に連絡して、速やかにパスワードなどを変更する
あわせて、パソコンやスマートフォンのOSを最新の状態にし、ウイルス対策ソフトを入れて更新しておくことも有効としています。
3.1 10月の注意喚起で証券会社が加えた「2段階認証」などの確認
10月の注意喚起では、証券会社が、GoogleやAppleのアカウント側の設定も見直すよう求めています。楽天証券とSMBC日興証券が挙げている主な点は次のとおりです。
- GoogleアカウントやAppleアカウントに2段階認証を設定する
- 身に覚えのない認証の承認要求には反応しない
- GoogleやAppleのアカウントに登録されている端末を確認し、使っていない端末や見覚えのない端末は削除する
パスキーを設定した証券口座でも、GoogleやAppleのアカウントの設定まで確認しておくことをおすすめします。
証券口座の設定に加えて、パスキーを保存しているGoogle・Appleのアカウント側の設定も確認しておきたい2/2
出所:金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」、楽天証券、SMBC日興証券のお知らせをもとにLIMO編集部作成
4. 証券口座の不正ログイン対策、パスキーに加えて保存先のアカウントの2段階認証まで
証券口座への不正取引は、2025年4月の3033件から2026年9月の2件まで減りました。一方で10月には、GoogleアカウントやAppleアカウントを入口に、保存されたパスキーなどが悪用されるおそれがあるとして、証券会社が注意を呼びかけています。
証券口座の多要素認証やパスキーの設定に加えて、GoogleやAppleのアカウントの2段階認証と、登録されている端末を確認しておきましょう。身に覚えのないログインや取引があれば、取引している証券会社の窓口に連絡してください。
金融庁の金融サービス利用者相談室(電話0570-016811、IP電話からは03-5251-6811、平日10時〜17時)でも相談を受け付けています。
※本記事は2026年11月4日時点の情報をもとにしています。設定の方法や補償の扱いは証券会社によって異なるため、利用している証券会社の案内をご確認ください。
参考資料
- 金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」
- 金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引の発生状況」
- 楽天証券「【ご注意ください】不正ログインや不正取引などの被害に遭わないために」
- SMBC日興証券 お客さまへのお知らせ(2026年10月6日)
中本 智恵