3. 第1子出産後も働く妻は53.8%。「出産退職」から継続就業へ

第1子出産後も働き続ける女性は53.8% 出産前後の就業変化3/4

第1子出産後も働き続ける女性は53.8% 出産前後の就業変化

出所:厚生労働省「令和8年版厚生労働白書・第2部-第1章 働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など」をもとにLIMO編集部作成

厚生労働省の「令和8年版厚生労働白書」には、第1子出産をめぐる女性の就業の変化(※)がまとめられています。

かつては第1子出産を機に離職する「出産退職」が一般的でしたが、2015〜19年に第1子が生まれた妻では、出産前に仕事があった人が77.4%、出産後も仕事を継続した人が53.8%で、過半数を超えました。出産前に仕事があった人を100とすると、仕事を継続した人は69.5で、約7割にあたります。

ただ、仕事を続けても、育児との両立のためにパートや派遣といった非正規雇用を選ぶ人もいます。働き方が変われば、厚生年金に加入する期間や将来の年金額、第3号被保険者にとどまるかどうかも変わるでしょう。

※数値は、国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(夫婦調査)」にもとづく白書の図表1-3-2によるものです。53.8%は第1子が生まれた妻全体に占める割合で、出産前に仕事があった人だけを対象にした割合ではありません。

4. 男性の育休取得率は50.9%で初の5割超え。女性との差は37.4ポイント

男性の育児休業取得率は50.9%で初の5割超え 男女別の推移4/4

男性の育児休業取得率は50.9%で初の5割超え 男女別の推移

出所:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」、厚生労働省「令和6年度育児休業取得率の調査結果(雇用均等基本調査)」をもとにLIMO編集部作成

厚生労働省が2026年7月31日に公表した「令和7年度雇用均等基本調査」によると、事業所調査での育児休業取得率は、男性が50.9%(前年度40.5%)となり、初めて5割を上回りました。

女性は88.3%(前年度86.6%)。この調査は、常用労働者5人以上の事業所を対象に、令和7年10月1日時点で実施されました。

男性の取得率は、1年で10.4ポイント上がりました。父親が育児休業を取る流れは広がっています。

男女別の推移は次のとおりです(※)。

  • 男性:平成8年度0.12% → 令和元年度7.48% → 令和5年度30.1% → 令和6年度40.5%
  • 女性:平成8年度49.1% → 平成19年度89.7% → 平成20年度90.6% → その後は80%台で推移

それでも、女性との差は37.4ポイントあります。取得率は休業を取ったかどうかを示す数字で、休業の期間や、復職後の家事・育児の分担までは表しません。

育児を担う時間や働き方の違いは、女性が厚生年金に加入する期間を左右し、将来の受給額にも影響します。夫婦で育児の分担を話し合うことは、老後の年金を考える第一歩ともいえるでしょう。

※平成8〜17年度は、調査を実施した年度のみの掲載です。令和6年度までの推移は「令和6年度育児休業取得率の調査結果」、令和7年度は「令和7年度雇用均等基本調査」によります。取得率は、調査前年度の1年間に出産した女性(男性は配偶者が出産した人)のうち、調査時点までに育児休業を開始した人(申出中を含む)の割合です。

5. 年金の男女差は働き方の積み重ね。夫婦で話し合っておきたいこと

厚生年金の平均受給額は、男性が約17万円、女性が約11万1000円と、依然として男女間で大きな開きがあります。この差を生み出している最大の要因は現役時代の働き方であり、出産や育児を機に働き方を変えた影響は、数十年後の年金額に静かに、しかし確実に響いてきます。

一方で、男性の育休取得率が初めて5割を超えるなど、夫婦で仕事と育児を分け合う動きも広がってきました。制度も社会も少しずつ変化するなか、いまの現役世代が年金生活を送る頃には、こうした男女差もまた違った形に変わっていることでしょう。

私たちが日々選んでいるいまの働き方は、目前の収入を支えるだけでなく、遠い将来の年金収入という土台にも直結しています。

目先の手取り額とあわせて、将来の年金額にも目を向けてみませんか。まずは「ねんきん定期便」で夫婦それぞれの見込み額を確認し、これからの働き方について二人でじっくり話し合ってみましょう。

※年金制度や手続きの内容は、今後変更される場合があります。ご自身の状況については、日本年金機構や年金事務所などでご確認ください。

参考資料