金融リテラシーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。お金にまつわる知識や判断力、理解度を示す言葉で、テレビのニュースなどで耳にしたことがある人も多いかもしれません。
リテラシーという言葉は「読解記述力」とか「識字力」といった意味を持っていますが、金融リテラシーといえば、単なる金融知識ではなく、お金に関する「生活力」ともいえるでしょう。
その金融リテラシーについて、金融広報中央委員会は18歳以上を対象にした調査を行っています。この結果から、金融リテラシーが高い人、また反対に、金融詐欺の被害に遭いやすい人はどのような人なのか、その傾向を見ていきましょう。
金利に対する理解が不足している高齢者
金融広報中央委員会は調査の設問の一部を5つのクイズ(金融リテラシークイズ)として、結果とともに公開しています。
2019年の調査の結果では、18歳から29歳までの平均は40.8点、30代が48.0点、40代51.1点、50代55.2点、60代59.3点、70代59.8点でした。前回の2016年の調査結果と同様に、年齢が上がるほどに平均点数が上がっており、金融リテラシーは年齢とともに高まっているといえそうです。
その一方で、この金融リテラシークイズ(2016年)の設問をそのまま活用し、フィデリティ退職・投資教育研究所が、高齢者(回答者65歳から79歳までの1万1960人)を対象に行った調査結果からは、高齢者の金利に対する理解度の低さもうかがえます。
そこでは、単に「金利上昇時の運用・借り入れ」と「複利の理解」の正解率が低いというだけではなく、「わからない」との回答が目立っています。高齢者にとって、「金利」をしっかり理解できることは、「金融リテラシー」を向上させるための重要なポイントといえるでしょう。