フィデリティ退職・投資教育研究所の調査では、金融詐欺に遭ったかどうかに関する設問もありました。全体で「金融詐欺に遭った」と回答した人は4.6%という結果が出ています。

同様に「知人が金融詐欺に遭ったと聞いたことがあるか」という設問に対しては、10.6%の方があると答えています。「自分は金融詐欺にあっていないが、友人はあっている」と答えているわけで、実際にはもっと被害率は高いのかもしれません。

注目すべきは、自分自身では「金融知識が高い」と判断しているものの、実際の金融リテラシークイズの点数が低い人、すなわち金融リテラシーに対して自信過剰な人は金融詐欺被害率が高かったという点です。

「同世代の人と比べて自分は金融知識が高い」と判断しているのに、金融リテラシークイズの得点が0-40点と全体平均の56.3点よりも低かった人が「金融リテラシーの自信過剰な人」と定義されていますが、同調査ではこうした人が1,633人、全体の13.7%にも達しています。

投資をしている人ほど金融リテラシーが高い

金融リテラシークイズの結果は投資にも関係があります。「現在投資をしている人」が65.2点、「以前投資をしていたが今はやめた人」が57.0点、「これまで投資をしたことがない人」が44.7点で、投資をしている人の金融リテラシーが相対的に高いことを示しています。

この関係を「金融リテラシーが高い人ほど、投資をしている」と読むこともできますし、逆に投資の経験を重ねたから金融リテラシーが高くなったとも考えられます。

まとめ

金融リテラシーは年齢とともに、また、投資経験とともに高くなる傾向があるようです。金融リテラシーを上げるためには、少なからず投資に関わることが近道といえるでしょう。

ただし、実際には金融リテラシーの理解度が低いのに自己評価が高い自信過剰な人は、詐欺被害に遭いやすいという結果も出ています。金融リテラシークイズの結果に関わらず、自分の金融リテラシーを過信せずに、金融詐欺に対しては常に警戒するよう心がけましょう。

【参考資料】
金融リテラシークイズ」(金融広報中央委員会 知るぽると)
高齢者の金融リテラシー調査」(フィデリティ退職・投資教育研究所、2018年12月実施)

LIMO編集部