6. 【検証】永代供養の「永代」と個別安置の「年数」は、2つの内容に分けて読む

永代供養という言葉には、2つの内容が含まれています。1つは、墓の管理や供養を経営者に任せ、承継する人がいなくても続けてもらうこと。もう1つは、骨壺のまま個別に安置される期間をどこまでにするかです。

「永代」が指すのは前者です。後者の個別安置の期間は、福岡市なら10年・20年・30年、都立霊園なら20年と、年数で決まっています。この2つを混同すると、「永代」という言葉から、個別安置もずっと続くと受け取ってしまいやすいのではないでしょうか。

使用料の数字を見ても、年数に応じて決まる部分と、施設ごとに違う部分が混在しています。福岡市では個別安置1年あたりの使用料が約4800円で、10年ごとに同じ額ずつ上がる仕組みです。一方、都立霊園では、同じ20年の一定期間後共同埋蔵でも、八柱霊園の13万1000円と多磨霊園の6万1000円で約2.1倍の差が開いています。年数だけで比べると、施設ごとの違いが見えにくくなります。

終活や相続の資料に触れていると、墓は預金や家とは別に、祭祀を主宰する人が引き継ぐものとして扱われていることに気づきます。個別安置の期間が過ぎて合葬されると、遺骨を返してもらえない施設も出てきます。そのため、期間を決める際には、お参りを続けたい家族は誰か、何年くらいを考えているかを、家族で話しておくと選びやすくなるでしょう。

どの期間を選ぶのがよいかは家族の考え方によって変わり、どれが正解とは言えません。そのうえで、個別安置の年数、数え始める日、合葬後の返還の扱いの3つを書面で並べて確かめておくと、あとの見通しが立てやすくなるのではないでしょうか。

7. まとめ

永代供養でも、個別安置される期間は決まっていることがあり、厚生労働省の指針も、一定期間後に合葬墓に移す形を永代供養墓の1つに挙げています。公営の合葬墓では、福岡市が10年・20年・30年、神戸市が10年(延長で20年)、都立霊園が20年です。福岡市の使用料は、10年延ばすごとに1体4万8000円上がります。

個別安置の期間は使用許可日から数える自治体があり、合葬されたあとは遺骨を返してもらえない施設もあります。契約の前に、年数・数え始める日・返還の扱いを使用規則や募集案内で確かめてから家族と話を進めると、あとで戸惑いにくくなります。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。使用料や申込みの条件は、年度ごとの募集で変わることがあります。最新の内容は、福岡市・神戸市・東京都・広島市の募集案内や、各霊園の窓口でご確認ください。

参考資料