「永代供養にすれば、ずっと個別に供養してもらえる」と考えていると、契約の書面で「合葬」という言葉を見て戸惑うことがあります。永代供養でも、骨壺のまま個別安置される期間が決まっていて、その期間が過ぎると他の遺骨と一緒に合葬される施設も少なくありません。
終活の資料を読んできた経験からお伝えすると、永代供養の「永代」と、個別安置の「◯年」は、別々のこととして書かれている例が多く見られます。ここでは、厚生労働省の指針と、自治体が公表している公営の合葬墓の使用料をもとに確かめます。
あわせて、福岡市・神戸市・東京都の公営の合葬墓で、個別安置の期間を延ばすと、遺骨1体あたりの使用料がいくら上がるかも試算してみました。
※使用料は、福岡市「福岡市立霊園条例」と「平尾霊園合葬式墓所の利用者募集」(市政だより令和8年8月1日号)、神戸市「2026年度 神戸市立墓園の使用者募集」、東京都「令和8年度 都立霊園の使用者を募集します」に掲載された遺骨1体あたりの額です。
1. 永代供養なら個別安置はずっと続く?厚生労働省の指針でも「永代供養墓」に確立された定義はなく、一定期間後に合葬墓に移すものもある
厚生労働省「墓地経営・管理の指針等について」は、墓地の経営者を指導監督する際のガイドラインとして、平成12年に自治体へ通知されたものです。この指針は、いわゆる永代供養墓について、確立された定義や慣習があるわけではなく、実態はさまざまだとしています。
指針が挙げている永代供養墓の形は、次の3つです。
- 【個々の墓所で管理するもの】遺骨ごとの墓所で管理が続く
- 【一定期間経過後に合葬墓に移すもの】はじめは個別安置で、期間が過ぎると合葬
- 【初めから合葬墓に納めるもの】納めた時点で他の遺骨と一緒になる
同じ「永代供養」という名前でも、個別安置がいつまで続くかは施設ごとに異なります。指針は、使用期限を明確にして利用者に十分説明すること、契約書と重要事項の説明書を作成しておくことも求めています。
2. 永代供養の個別安置は公営の合葬墓で何年?福岡市は10年・20年・30年から選び、神戸市は10年(延長で20年)、都立霊園は20年
個別安置の期間を公表している公営の合葬墓を3つ見ていきます。呼び方は自治体ごとに異なり、福岡市は「個別埋蔵後合葬」、神戸市は「個別安置施設」、東京都は「一定期間後共同埋蔵」としています。
- 【福岡市 平尾霊園 合葬式墓所】利用許可日から10年・20年・30年のいずれかの期間、骨つぼのまま個別埋蔵室に置き、その後合葬
- 【神戸市 鵯越合葬墓 個別安置施設】骨壺のまま10年間保管した後、合葬施設に埋蔵。期間経過後に10年間延長することもできる
- 【東京都 八柱霊園・多磨霊園 合葬埋蔵施設】使用許可日から20年間個別に保管した後、共同埋蔵
これら3つの自治体では、個別安置を経ずにはじめから合葬する方式も用意しています。福岡市は「直接合葬」、神戸市は「合葬施設」、東京都は「直接共同埋蔵」です。