5. 出産祝いを孫の名義の口座に入れるときは?だれが管理するかで、孫のお金と見られないことがある

祖父母からの出産祝いやまとまったお金を、孫の名義の預金口座に入れる場合もあるでしょう。このとき、通帳や印鑑を祖父母が持ったまま管理していると、孫ではなく祖父母のお金(名義預金)と見られることがあります。

また、亡くなった人から相続や遺贈で財産を受け取った人には、亡くなる前の一定期間(令和6年以後の贈与から、3年から7年へ段階的に延長)の贈与を相続財産に加える決まりがあります(国税庁「No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」)。孫が相続や遺贈で財産を受け取らなければ、この加算の対象にはなりません。

6. 【証券会社出身の視点】検証:贈与税は110万円を超えた分にかかり、1年の合計220万円なら受け取った額の約5%

贈与税というと、まとまったお金を渡せばすぐに大きな税がかかる印象を持つ方もいるかもしれません。一般税率では、基礎控除110万円を超えた分の200万円までにかかる税率は10%です。

試算では、1年の合計が220万円なら贈与税は約11万円で、受け取った額に対する割合は約5%でした。300万円なら約19万円で約6.3%、400万円なら約33.5万円で約8.4%と、合計が増えるほど割合も上がります。

孫の名義の証券口座で運用する場合も、だれが運用の指示を出し、だれがお金を使えるのかは知っておきたい点です。名義が孫でも、実際の管理を祖父母が続けていれば、預金と同じように祖父母の財産と見られることがあります。

また、贈与税の計算は受け取る側の孫ごとに行います。祖父母の側から見ると1人あたりの額が小さくても、祖父母4人がそれぞれ同じ年に渡せば、孫の1年の合計で110万円を超えることがあります。

お祝いとして渡すお金と、将来に向けてまとめて渡すお金は、分けて考えておくと整理しやすくなります。渡す時期と、受け取ったあとの管理の仕方をあわせて決めておきたいところです。

7. まとめ

祖父母からの出産祝いやお年玉は、社会通念上相当と認められれば贈与税はかかりません。ただし、いくらまでなら相当かという金額は、国税庁の資料には示されていません。お祝いとは別にまとめて渡すお金は、受け取った孫の1年の合計から110万円を引いて計算し、祖父母4人から合計220万円なら約11万円です。

お祝いの額が大きくなる場合や、まとまったお金を渡す場合は、所轄の税務署や税理士に、お祝いとして扱えるか、申告が必要かを確かめておくと安心です。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。贈与税がかかるかどうかや税額は、贈与の内容や受け取る人のその年のほかの贈与によって変わります。実際の取り扱いは、所轄の税務署や国税庁のホームページでご確認ください。

参考資料

安達 さやか