2026年8月1日から、基本手当日額の上限が引き上げられました。厚生労働省とハローワークの案内では、離職時の年齢で、30歳未満は7450円、30歳以上45歳未満は8270円、45歳以上60歳未満は9110円、60歳以上65歳未満は7830円です。
失業保険(雇用保険の基本手当)を一度受け取ったあと、次に受け取れるのはいつでしょうか。転職を繰り返す人や、年内に離職を考えている人は、「前にもらったから、しばらくもらえないのでは」と心配になることもあるでしょう。
この記事では、前半でこの疑問に、雇用保険法(e-Gov法令検索)とハローワークの公表資料(2026年10月時点)と編集部の試算で答えます。続けて、前の期間のリセットと、入社日別の最短の離職日を確認します。個別の受給資格は、管轄のハローワークに確認してください。
1. 想定される疑問:失業保険を一度もらうと、次はいつからもらえる?前の会社の期間は数えてもらえる?
「去年の春に失業保険をもらって、今年転職しました。もう辞めたいのですが、『前にもらったから、何年かはもらえない』と聞いて、辞めるに辞められずにいます。何年あければよいのですか。前の会社で働いた期間は、数えてもらえますか」。この疑問は、編集部が想定したもので、実際の問い合わせではありません。
この疑問は、一人の事情に見えますが、同じ仕組みは、転職を重ねる人にも当てはまりえます。答えは、次の3点です。
- 「何年あける」という決まりはありません。条件は被保険者期間で、離職の日以前2年間に通算12か月以上です。倒産や解雇などの場合や特定理由離職者は、1年間に6か月以上あれば対象です
- 前に受給資格を取得したときの離職の日以前の被保険者期間は、次の計算に含まれません。給付日数の算定基礎期間も、前の期間を除いて数えます
- 編集部の試算では、2027年4月1日に入社した場合、一般の方で再び対象になる最短の離職日は、2028年3月31日です
2. 失業保険を一度もらうと次はいつ:何年後という決まりはなく、条件は被保険者期間
ハローワークの案内によると、基本手当は、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることが条件の1つです。倒産や解雇などで離職した「特定受給資格者」や、「特定理由離職者」は、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算6か月以上あれば受けられます。
この条件は、雇用保険法13条に書かれています。ここには、「前回の受給から何年たったか」という要件は、ありません。何回でも、その都度、条件を満たせば、受給の対象になります。
基本手当を受けるには、このほかに、失業の状態にあることも必要です。ハローワークで求職の申込みをして、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるのに、職業に就けない状態をいいます。
つまり、「次はいつ」という問いは、「新しい職場で、被保険者期間をどれだけ積んだか」という問いに置き換わります。前回の受給から時間がたっていても、新しい職場の期間が足りなければ、対象になりません。
3. 前の期間は「リセット」される:被保険者期間と給付日数の両方が数え直しになる
「一度もらうとリセットされる」とよく言われます。これは、雇用保険法14条に根拠があります。被保険者期間を計算するとき、最後に被保険者となった日より前に、受給資格を取得したことがある場合は、その受給資格に係る離職の日以前の被保険者期間を、含めないと書かれています。
たとえば、前の職場に10年勤めて、基本手当の受給資格を取得したとします。その後、新しい職場に入った場合、前の職場の10年は、次の受給資格の計算に使えません。次の被保険者期間は、新しい職場に入ってからの分で数えます。
給付日数も、同じです。所定給付日数は、算定基礎期間で決まります。雇用保険法22条3項は、新しい被保険者となった日より前に基本手当の支給を受けたことがある場合は、その受給資格に係る離職の日以前の被保険者であった期間を、除いて算定すると定めています。
一般の受給資格者の所定給付日数は、算定基礎期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日です。前の職場で20年勤めて150日を受けた人でも、次の職場で3年なら、次の給付日数は90日の区分で考えます。
3.1 【失業保険を一度もらった後の数え方はどう変わる?前の期間を数える場合・数えない場合の違いを早見表で確認】
前提条件:雇用保険法13条・14条・22条(e-Gov法令検索)と、ハローワークのよくあるご質問・基本手当の案内。一般の離職者の場合の整理1/2
出所:e-Gov法令検索「雇用保険法」、ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」を基にLIMO編集部作成
被保険者期間と給付日数
- 被保険者期間:次回は、離職の日以前2年間に12か月以上が必要です。前の受給資格に係る離職の日以前の期間は、含めません。
- 給付日数:新しい職場の算定基礎期間で決まります。前の受給資格に係る期間は、除いて算定します。
給付制限と受給できる期間
- 自己都合の給付制限:原則1か月です。過去5年間に2回以上の受給資格決定がある場合は、3か月です。
- 受給できる期間:離職日の翌日から原則1年です。離職のたびに、新しく数えます。
「リセット」と聞くと、損をしたように感じるかもしれません。ただ、リセットされるのは、すでに受給資格に使った期間です。使っていない新しい期間は、そのまま積み上がります。
4. 編集部の試算:入社日別に、再び対象になる最短の離職日
前の受給が終わって、新しい職場に入った人が、再び基本手当の対象になる最短の離職日を、日付に置き換えます。各月に、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上あると仮定します(時間数80時間以上でも1か月に数えられます)。
2027年4月1日に入社した場合、一般の離職者は、12か月が必要なため、最短は2028年3月31日の離職です。特定受給資格者や特定理由離職者は、6か月でよいため、最短は2027年9月30日です。
2027年7月1日に入社した場合は、一般が2028年6月30日、会社都合などが2027年12月31日です。2027年10月1日に入社した場合は、一般が2028年9月30日、会社都合などが2028年3月31日です。
4.1 【いつ辞めれば再び失業保険の対象になる?入社日別に、再び基本手当の対象になる最短の離職日を一覧で確認】
前提条件:各月の賃金支払基礎日数が11日以上と仮定した編集部試算。雇用保険法13条・14条(e-Gov法令検索)を基に、月を区切って数えた2/2
出所:e-Gov法令検索「雇用保険法」を基にLIMO編集部試算
2027年4月と7月に入社した場合
- 2027年4月1日入社:一般の離職者は2028年3月31日、会社都合などは2027年9月30日です。
- 2027年7月1日入社:一般の離職者は2028年6月30日、会社都合などは2027年12月31日です。
2027年10月に入社した場合
- 2027年10月1日入社:一般の離職者は2028年9月30日、会社都合などは2028年3月31日です。
この表は、被保険者期間の条件だけを見た最短の目安です。実際の受給には、失業の状態にあることや、離職理由の判定が必要で、日付どおりに受給できるとは限りません。また、わざと短期間で離職を繰り返す前提の表でもありません。
離職理由が、会社都合などの区分になるかどうかは、ハローワークが判定します。自分で「会社都合だ」と決められるものではありません。基本手当の日数や給付制限の基本は、【雇用保険の基本手当】離職前6か月の賃金の5〜8割が90日から360日分。自己都合の給付制限は2025年4月から1か月に短縮されたで整理されています。
5. 【編集者の視点】
日付の表を作ってみると、「何年後」ではなく、「何か月分の期間が必要か」で考える仕組みだと分かります。新しい職場に入った日が、そのまま次の起点になります。転職を考える場合は、入社日と、雇用保険に加入した日を、早めに確認しておきます。
期間を満たすためだけに動くのは、おすすめしません。条件を満たしても、失業の状態であることや、離職理由の判定が、別に必要です。制度は、あくまで、再就職を支える仕組みです。
前の受給で給付日数を使い切っていない場合や、受給期間が残っている場合の扱いも、気になるところだと思います。個別の事情で変わるため、離職票が手元にあるうちに、ハローワークの窓口で確認してください。
6. まとめ
「一度もらうと次はない」わけではありません。新しい職場で、期間を積み直せば、再び対象になる可能性があります。ただ、日付の条件を満たすだけでは足りず、失業の状態や、離職理由の判定も必要です。
受給資格や給付日数、給付制限は、個別の事情で変わります。迷う場合は、お近くのハローワークに相談してください。
7. 失業保険を再びもらえるのはいつ?入社時期や離職理由など4つの場合を雇用保険法とハローワークの資料で確認
読者の方が気にしそうな「もし」を、雇用保険法とハローワークの資料、編集部の試算で確認します。いずれも、ご自身の受給資格を確定するものではありません。
- もし、2027年4月1日に入社したら:一般の方で、再び対象になる最短の離職日は2028年3月31日です(編集部試算)
- もし、倒産や解雇などで離職したら:1年間に6か月以上の被保険者期間があれば対象です。特定理由離職者も同じです
- もし、病気やけがで30日以上、賃金が支払われなかったら:2年の枠が、最大4年まで延びます
- もし、自己都合で、5年間に2回以上の受給資格決定があったら:給付制限は、原則1か月が3か月になります
ここからは、この答えの前提になる仕組みを順に確認します。前の期間のリセット、被保険者期間の数え方、入社日別の最短の離職日、2年の枠が延びる場合、6か月で足りる人の順です。
8. 被保険者期間の数え方:1か月は賃金支払基礎日数11日以上、月の途中の入社は半月分も
被保険者期間の1か月は、暦の月とは違います。雇用保険法14条は、被保険者でなくなった日から、1か月ごとに区切ってさかのぼった期間を、1か月として数えると定めています。ハローワークの案内では、そのうち、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上、または賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上ある期間を、1か月と数えます。
たとえば、4月1日に入社して、翌年3月31日に離職した場合を考えます。各月とも、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上(または時間数が80時間以上)あれば、12か月になります。月の途中で入社した場合は、区切り方が変わります。
雇用保険法14条には、月の途中で入社した場合の定めもあります。入社日から、最初の区切りの前日までの期間が15日以上あり、その期間の賃金支払基礎日数が11日以上のときは、その期間を、2分の1か月として数えます。
賃金の支払の基礎となった日数の数え方は、勤務形態によって異なる場合があります。月ごとの日数に不安がある場合は、離職票などをもとに、ハローワークに確認します。
9. 「2年」の枠が延びる場合:病気やけがで30日以上働けなかったとき
被保険者期間を数える「離職の日以前2年間」は、延びる場合があります。雇用保険法13条では、疾病、負傷など厚生労働省令で定める理由により、引き続き30日以上、賃金の支払を受けることができなかった場合に、その日数を、2年に加算するとしています。
ただし、加算しても、最大は4年間です。たとえば、病気で1年間休んで賃金が出なかった人は、数える範囲が3年間になります。ただし、4年を超える場合は、4年間までです。
この特例を使うには、必要な書類や手続きがあります。休んでいた期間がある場合は、早めにハローワークへ相談します。
この特例は、前の受給とは別の話です。新しい職場の期間を数える範囲が、病気やけがで長くなる場合があるという意味です。個別の事情で、使えるかどうかが変わります。
10. 6か月で足りる人は誰か:特定受給資格者と特定理由離職者
表の「会社都合など」とは、どのような人でしょうか。ハローワークの案内では、倒産や解雇などにより離職した人を、「特定受給資格者」と呼びます。この人たちは、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算6か月以上あれば、基本手当の対象です。
もう1つが、「特定理由離職者」です。雇用保険法13条3項は、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、契約の更新がないことを挙げています。ただし、本人が更新を希望したのに、更新の合意が成立しなかった場合に限られます。
そのほか、やむを得ない理由により離職した人として、厚生労働省令で定める人も含まれます。どのような理由が、これに当たるかは、ハローワークが事情を確認したうえで判定します。
自分から退職した場合でも、正当な理由があると認められれば、給付制限がかからないことがあります。ハローワークの案内では、この「正当な理由」は、給付制限を行う場合の認定基準と、同様に判断されます。
6か月で足りるのは、あくまで、これらの区分に当たると判定された場合です。「会社都合のはずだ」と考えて、離職票の理由欄に異議がある場合は、ハローワークで事実関係を説明します。離職理由の判定は、事業主の主張だけでは決まらず、離職者の主張も確認したうえで行われます。
11. 給付日数は新しい職場で決まる:前職の勤続年数が長くても数え直す
被保険者期間の次に、気になるのは、給付日数です。前に150日を受けた人が、次も150日とは限りません。雇用保険法22条は、新しい被保険者となった日より前の受給資格に係る期間を除いて、算定基礎期間を数えると定めています。
一般の離職者の場合、算定基礎期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日です。新しい職場の勤続年数で、次の区分が決まります。
たとえば、前の職場で20年以上勤めて150日を受けた人が、次の職場に3年勤めて離職した場合、新しい期間は10年未満です。次の所定給付日数は、90日の区分になります。
特定受給資格者や、就職が困難な人は、日数の区分が別に決まっています。条件によって、日数の表が変わるため、ここでは一般の離職者に絞って整理しました。個別の日数は、ハローワークで確認してください。
11.1 【新しい職場に何年勤めると何日もらえる?勤続年数別の、一般の離職者の所定給付日数を一覧で確認】
10年未満と10年以上20年未満
- 10年未満:所定給付日数は90日です。前職で20年以上勤めて基本手当を受けた人でも、次の職場で3年なら90日です。
- 10年以上20年未満:所定給付日数は120日です。次の職場で12年なら120日です。
20年以上
- 20年以上:所定給付日数は150日です。次の職場で20年以上なら150日です。
転職のたびに、勤続年数の長い会社から、短い会社へ移ると、次の給付日数は短くなる場合があります。逆に、新しい職場で長く働くほど、次の区分が上がります。一度もらったあとの働き方が、そのまま次の条件に反映されます。
12. 2回目以降の自己都合:5年間に2回以上の受給資格決定で、給付制限は3か月
次に気になるのは、自己都合で離職を繰り返した場合の待ち時間です。ハローワークの案内では、正当な理由のない自己都合による離職の給付制限は、離職日が2025年4月1日以降なら、原則1か月です。2025年3月31日以前なら、原則2か月です。
ただし、離職日からさかのぼって5年間のうちに、2回以上、正当な理由なく自己都合で離職し、受給資格決定を受けた場合は、給付制限が3か月になります。自己の責めに帰すべき重大な理由で解雇された場合も、3か月です。
給付制限は、7日間の待期期間が満了したあとに、さらに基本手当が支給されない期間です。給付制限が3か月になると、初回の振込みは、その分だけ遅くなります。生活費の備えを、あらかじめ考えておく必要があります。
回数の数え方や、離職理由が自己都合にあたるかどうかは、個別の事情で変わります。心当たりがある場合は、離職票を受け取った時点で、ハローワークに確認します。
給付制限は、教育訓練を受けると解除される場合があります。厚生労働省は、令和7年4月1日以降に受講を開始した対象の教育訓練等を受ける場合、自己都合退職等による給付制限が解除され、7日間の待期期間満了後に基本手当を受給できると案内しています(手続きには訓練実施施設による証明書等が必要です)。
13. 【編集者の視点】
「一度もらうと次が不利になる」という不安は、制度の仕組みを知ると、大きく軽くなります。リセットされるのは、使い終えた期間だけで、新しい職場の期間は、そのまま積み上がります。一方で、自己都合を短い間隔で繰り返す場合は、給付制限が3か月になる点に、気をつけてください。
法律は、「受給資格を取得したことがある場合」と書いていて、給付日数を使い切ったかどうかは、書かれていません。手続きの進め方によって、扱いが変わる場合もあるため、受給の手続きを途中でやめた経験がある人は、ハローワークで、前回の扱いを確認しておくのが安全です。
離職理由の判定は、本人だけで決められません。離職票に書かれた理由に、納得できない場合は、事実を示す資料をそろえて、ハローワークで説明します。早めの確認が、次の生活設計を支えます。
※本記事は、編集部が厚生労働省の公表する公式の最新一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。
14. 次の受給が始まるまでの時間:待期7日、給付制限、初回の振込み
条件を満たしたあと、お金が実際に振り込まれるまでには、時間がかかります。ハローワークの案内では、離職票の提出と求職の申込みを行った日から通算して7日間が、待期期間です。この間は、離職の理由にかかわらず、基本手当が支給されません。
待期期間が終わったあとに、給付制限がある場合は、さらに待ちます。自己都合なら、原則1か月、過去5年間に2回以上の受給資格決定がある場合は3か月です。給付制限がない人でも、初めて現金が振り込まれるのは、求職の申込みから約1か月後です。
その後は、原則として4週間に1度、失業の認定を受けます。認定を受けた日から、通常5営業日で、指定の口座に振り込まれます。振込みの間隔は、この認定日の周期に沿います。
次に離職するときは、この時間も、生活費の備えとして見込んでおく必要があります。再び受給できる条件を満たしていても、最初の振込みまでは、数か月かかる場合があります。
15. 離職する前に確認しておきたいこと:入社日・加入日・離職票
「次はいつ」を正しく見積もるには、手元の書類で、期間を確認しておく必要があります。まず、新しい職場の入社日と、雇用保険の加入日が、同じかどうかを確認します。入社日より、加入が遅れている場合があります。
被保険者であった人は、いつでも、被保険者となったことの確認を請求できます(雇用保険法8条)。加入の記録は、会社の担当部署にも確認します。離職前に確認しておくと、期間が足りるかどうかを、早めに見通せます。
離職票は、離職後に、事業主の提出した離職証明書に基づいて、ハローワークから交付されます。ハローワークの案内では、離職後しばらくたってからでも、交付を希望すれば受けられます。ただし、手続きの期限もあるため、早めに請求します。
基本手当を受けられる期間は、離職日の翌日から原則1年です。1年を過ぎると、所定給付日数が残っていても、受けられなくなります。病気、けが、妊娠、出産、育児などで引き続き30日以上働けなくなったときは、その日数だけ受給期間を延長でき、延長できるのは最長3年間です。
再就職が決まったときの手当については、【令和8年8月改定】再就職手当の計算に使う日額上限は6745円に。支給残日数別に「もらえる額」を試算で、金額の試算が紹介されています。
16. よくある質問
16.1 Q. 失業保険を一度もらうと、次は何年後にもらえますか?
A. 「何年後」という決まりはありません。新しい職場で、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上(特定受給資格者などは1年間に6か月以上)あれば、再び対象になります。
16.2 Q. 前の職場で働いた期間は、次の計算に使えますか?
A. 前に受給資格を取得したときの離職の日以前の期間は、使えません。雇用保険法14条2項で、被保険者期間に含めないと定められています。新しい職場に入ってからの分で数えます。
16.3 Q. 前に150日もらった人は、次も150日ですか?
A. 限りません。所定給付日数は、算定基礎期間で決まります。前の受給資格に係る期間は除いて数えるため、新しい職場の勤続年数が10年未満なら、一般の離職者は90日です。
16.4 Q. 被保険者期間の1か月は、どう数えますか?
A. 離職の日から1か月ごとに区切って、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上ある期間を、1か月と数えます。入社日から最初の区切りの前日までが15日以上で、基礎日数が11日以上なら、半月分に数えられます。
16.5 Q. 病気で休んでいた期間は、どうなりますか?
A. 病気やけがなどで、引き続き30日以上賃金の支払を受けられなかった場合は、その日数を2年に加算できます。ただし、最大は4年間です。個別の扱いは、ハローワークで確認してください。
16.6 Q. 2回目の自己都合退職でも、給付制限は1か月ですか?
A. 離職日からさかのぼって5年間のうちに、2回以上、正当な理由なく自己都合で離職し、受給資格決定を受けた場合は、3か月です。そうでなければ、2025年4月1日以降の離職は、原則1か月です。
16.7 Q. 受給できる期間は、いつまでですか?
A. 離職日の翌日から原則1年です。所定給付日数が残っていても、1年を過ぎると、受けられなくなります。病気や出産などで求職の申込みが遅れる場合は、延長の申請ができる場合があります。
16.8 Q. 離職票は、離職後しばらくたってからでも交付されますか?
A. 離職後しばらくたってからでも、交付を希望すれば受けられます。前の勤務先に離職証明書の交付を請求し、ハローワークに提出して、離職票の交付を受けます。早めの手続きをおすすめします。
16.9 Q. 特定理由離職者とは、どのような人ですか?
A. 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、更新がないことなどによる離職者です。本人が更新を希望したのに、更新の合意が成立しなかった場合に限られます。そのほか、やむを得ない理由として厚生労働省令で定める人も含まれます。
16.10 Q. 離職票に書かれた離職理由に納得できないときは、どうすればよいですか?
A. ハローワークに、本人の主張を伝えます。離職理由の判定は、事業主の主張を離職証明書で把握したあと、離職者の主張も確認し、客観的な資料で事実関係を確かめたうえで、ハローワークが慎重に行います。事業主一方の主張のみで決まるものではありません。
16.11 Q. 初回の振込みは、いつごろになりますか?
A. 給付制限のない人でも、求職の申込みから約1か月後です。7日間の待期期間があり、その後、原則として4週間に1度の失業の認定を受けます。自己都合の場合は、さらに給付制限の期間が加わります。
参考資料
- e-Gov法令検索「雇用保険法」
- ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- 厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
齊藤 慧