3. 補足給付の見直しで確認したい注意点は3つある

1つ目は、預貯金の基準です。補足給付は、世帯全員が住民税非課税であっても、預貯金が基準を超えると対象外になります。基準は段階ごとに異なり、夫婦の場合は単身の金額より多く設定されています。

2つ目は、段階を分ける基準額の見直しです。令和8年8月施行の、利用者負担段階の基準額は、令和8年5月29日の事務連絡で「(旧)80.9万円から(新)82.65万円」と示され、その時点では改正作業中とされていました。その後、令和8年6月22日付の厚生労働省の通知(介護保険最新情報 Vol.1513)で、省令と告示が公布され、基準額が80.9万円から82.65万円へ引き上げられました。施行日は令和8年8月1日です。省令と告示の附則では、サービスが行われた月が8月以降の分から新しい基準を適用し、7月以前の分は従前の例によるとされています。通知では、令和7年の老齢基礎年金(満額)が80.9万円を超えることを踏まえ、低所得者の自己負担に影響が出ないよう改正するとされています。

3つ目は、実際に支払う額が施設ごとに決まるという点です。厚生労働省の周知資料(介護保険最新情報 Vol.1506)には、負担する額は施設と利用者の契約で決まる旨の記載があり、居住費の引き上げの対象になるかどうかは施設に確認するよう案内されています。

4. 第1段階の条件と、段階ごとの預貯金の基準はいくら?

第1段階と第2段階の負担限度額は、令和8年8月からも変わりません。食費は、第1段階が日額300円、第2段階が日額390円です。居住費は、特養等の多床室で、第1段階が0円、第2段階が430円となっています。

  • 第1段階:生活保護受給者は預貯金の要件なし。世帯全員が市町村民税非課税の老齢福祉年金受給者は、預貯金が単身1000万円、夫婦2000万円以下

第2段階から第3段階②の預貯金の基準は、上の図のとおり、段階が上がるほど下がります。補足給付の対象になる人のなかでは、第3段階②が日額の負担が最も大きくなります。

5. まとめ

令和8年8月から、補足給付の第3段階①と②で、食費が日額30円から60円、居住費が一部の部屋タイプで日額100円引き上げられました。第3段階②で特養の多床室を使う場合、食費と居住費の合計は、月5万3700円から5万8500円の計算です。

家族が施設に入る前後は、自分の世帯が、どの段階に当たるのかを確認しておくことが大切です。預貯金の基準を含めた判定は、お住まいの市区町村の介護保険担当課や、入居する施設に確認してください。負担限度額認定証には有効期間があり、更新の時期や手続きは市区町村によって異なります。入居中の人も、お住まいの市区町村の案内を確認しておくと安心です。

参考資料