4. 「補償のご案内」メールで確認したい注意点は3つ

補償や手続きを案内するメールを受け取ったときは、次の3つを順に確認しましょう。

4.1 1つ目:補償を口実にした偽メールには前例がある

2025年7月のフィッシング報告件数は22万6433件で、前月より3万3563件(約17.4%)増えました。協議会は、補償に関するメールなどを装う証券会社かたりのフィッシングが、再び増えたと説明しています。

補償をエサにする手口は、今に始まったものではありません。

4.2 2つ目:差出人の表示だけでは見分けられない

2026年9月は、実在サービスのドメイン名を差出人に使ったなりすましメールが約37.8%で、前月より増えました。ただし、この割合は調査用アドレス宛の集計である点に注意が必要です。

協議会は、受信者の氏名が書かれたフィッシングメールも確認されていると報告しています。氏名が入っていても、本物かどうかの目安にはならない点に注意しましょう。

4.3 3つ目:企業はメールでカード情報などを尋ねない

タイムズカーが案内したように、企業がメールやSMSでパスワードやカード情報をお伺いすることはありません。

見落としやすいのは、カード情報そのものが漏えいの対象でなくても、偽サイトに入力すれば番号を盗まれてしまう点です。確認は、メール内のリンクではなく、公式サイトやアプリのお知らせ、ブックマークから行いましょう。

5. 9月に目立った「なりすまし先」はどこ?

2026年9月に悪用されたブランドの割合(上位5)4/4

2026年9月に悪用されたブランドの割合(上位5)

出所:フィッシング対策協議会「2026年9月 フィッシング報告状況」をもとにLIMO編集部作成

9月に悪用された回数が多かったブランドは、Amazonが約33.2%、Appleが約11.1%でした。次いでセゾンカード、アメリカン・エキスプレス、国税庁と続き、上位5ブランドの合計は約65.3%です。

協議会は2026年9月30日付で、国税庁をかたるフィッシングメールの緊急情報を出しました。このメールは、不正アプリのインストールへ誘導するものです。補償以外の名目でも、公的機関やカード会社を名乗る偽メールは届きます。

  • Amazon:約33.2%
  • Apple:約11.1%
  • セゾンカード、アメリカン・エキスプレス、国税庁:上位5ブランドに入り、5ブランド合計で約65.3%

6. まとめにかえて|メールを開く前の3つの行動

情報漏えいのあとに届く「補償のご案内」は、まず疑ってかかるくらいがちょうどよいでしょう。次の3つを習慣にしておくと安心です。

  1. メール内のリンクを押さず、公式サイトやアプリから確認する
  2. クレジットカードの利用明細を、毎月見直す
  3. 身に覚えのない請求に気づいたら、すぐカード会社へ連絡する

判断に迷うときの相談先として、警察の相談電話「#9110」や、消費者ホットライン「188」があります。

9月の報告件数は9万4661件、2026年4〜6月の被害額は107.7億円でした。数字が大きいぶん、届いたメールを一度立ち止まって確かめる習慣が、財布を守る近道になります。

参考資料

池上 翠