企業の不正アクセスや情報漏えいの公表が、このところ続いています。
「情報漏えいのお詫びと補償のご案内」というメールが届けば、つい開いてしまいそうです。フィッシング対策協議会によると、2026年9月のフィッシング報告件数は9万4661件で、前月より1万2323件増えました。
本記事では、最新の報告件数とクレジットカードの不正利用被害額を整理します。そのうえで、補償を口実にしたメールの見分け方も紹介しましょう。
1. そもそも「補償を装うフィッシング」とは?
大規模な情報漏えいが公表されると、流出元の企業を名乗る偽メールが出回ることがあります。「おわび」や「補償」を口実に偽サイトへ誘導し、IDやカード番号を入力させる手口です。
たとえばタイムズカーは、2026年9月29日公表の第3報で状況を発表しました。運転免許証画像などの本人確認書類が漏えいしたアカウントは、約160万件です。流出した情報には、運転免許証画像のほか、現住所確認書類画像なども含まれます。
同社は10月16日の第4報で、メールやSMS、電話でパスワードやクレジットカード情報をお伺いすることはないと案内しました。なお、本記事は同社をかたる偽メールが確認されたと伝えるものではありません。
企業が実際にお知らせを出す場合でも、確認は公式サイトで行うのが基本です。
2. フィッシングの報告件数は何件?
フィッシング対策協議会が2026年10月19日に公表した「2026年9月 フィッシング報告状況」を確認します。
9月の報告件数は9万4661件で、前月の8万2338件から約15.0%増えました。数字は次のとおりです。
- 報告件数:9万4661件(前月比1万2323件増、約15.0%増)
- フィッシングサイトのURL件数:4万9032件(前月比9232件増、約23.2%増)
- 悪用されたブランド数:105件(前月比9件増)
3. クレジットカードの不正利用被害額はいくら?
クレジットカード不正利用被害額と番号盗用の内訳2/4
出所:日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の集計結果について」(2026年9月7日)、同(2026年3月6日)をもとにLIMO編集部作成
日本クレジット協会は2026年9月7日に集計を公表しました。4〜6月(第2四半期)の不正利用被害額は107.7億円で、前期比5.2%減です。不正利用の発生率は0.029%です。
被害の中心は番号盗用で、107.7億円のうち100.1億円(前期比5.6%減)を占めました。たとえば、番号盗用以外の被害は偽造カードの1.4億円とその他の6.2億円で、合わせて7.6億円です。
2025年通年では、不正利用被害額は510億5000万円で前年比8.0%減でした。番号盗用は475億4000万円で、全体の93.1%にあたります。
経済産業省の資料は、カード番号の窃取には、フィッシングで消費者から盗み取られるケースも多いと指摘しています。
なお、2026年調査分から調査方法が変わりました。四半期と通年では期間も異なるため、数字は単純には比べられません。
- 2026年4〜6月:被害額107.7億円(うち番号盗用100.1億円、偽造1.4億円、その他6.2億円)
- 2025年通年:被害額510億5000万円(うち番号盗用475億4000万円、構成比93.1%)