Hさんとご主人の浮気相手との攻防は、1年に及びました。「浮気が発覚したとき主人は謝罪し、『彼女とは別れる』と言っていたのですが、相手が納得せず、うちに嫌がらせの電話をしてくるように。私も相手に慰謝料を請求し、最終的に『出るところに出ましょう』と伝えると、しぶしぶ引き下がりました」

しかし、そのころにはHさんもすっかり疲弊し、ご主人に対する愛情も無くなっていました。「こんな風に平気で人を裏切って、その後始末をこちらに押し付けて…。そんな人間のどこに魅力を感じられますか?」

しかし、Hさんは「離婚」を選択しませんでした。「語弊がありますが、主人は収入がそこそこあるので、割と不自由のない生活をさせてもらっています。離婚すると、どうしてもそんな生活はできなくなってしまう。私が働きに出ることで、小学生の子どもにも寂しい思いをさせてしまうでしょう。だったら、割り切って今の生活を続けるほうがいい、と考えたのです」

お子さんは何か異変を感じないのでしょうか?「子どもの前では普通に会話をしていますよ(笑)。私もきっちり夫の世話はしています。家のことをきちんとやる代わりに生活の保障をしていただいている、と考えているので。もう、何人愛人を作ってもらっても結構です。私と子どもの生活の保障さえしていただければ、何をしようとご自由に、という気持ちです」

まとめ

許しても地獄、許さなくても地獄…。夫に浮気をされた女性は、どの道を選ぶにせよ、辛く苦しい毎日が待っているんだな、と思ってしまいました。さらに、どんな理由であれ、今回「離婚しない」という道を選んだ3人の女性。皆今でも悩み、葛藤しているのだな…と感じずにはいられません。

願わくば、彼女たちがもう一度、ご主人とまっすぐ向き合える日がきますように。

大中 千景