株式相場の上昇が続いています。3連休明けの11月5日に日経平均株価が約1年1カ月ぶりに23,000円台を回復し、あれよあれよという間に11月8日には一時23,500円を突破しました(23,591円で年初来高値更新)。実際、今回の株価上昇はまさしくあっという間の出来事でした。

まずは、年初からの株式相場(日経平均株価)の動きを簡単に振り返ってみましょう。

9月初旬からの2カ月間で+15%弱というハイペースの株価上昇

昨年の大納会における終値は約20,000円でした(正確には20,014円)。年明けから多少の調整局面を経て、「平成」が終わろうとしていた4月下旬に22,362円の高値を付けました。そして新元号「令和」となった5月の10連休の最終日に、米国トランプ大統領による中国関税引き上げが発表され、世界的な株価調整が始まったのは記憶に新しいところです。

8月6日には20,000円割れ寸前(20,110円)まで下落し、当面の株式相場は低迷を余儀なくされるという見解が支配的になりました。ところが、9月初旬から再び株価上昇の流れが始まり、今日に至っています。

何しろ、9月3日に約20,600円だった株価は、わずか2カ月強で約3,000円上昇しました。この間の株価上昇率(+15%弱)は、アベノミクス始動以降でも特筆すべきハイペースだと言えましょう。

また、9月3日~17日にかけては日経平均株価の10連騰(歴代10位タイ)もありました。

日経平均株価の過去2年の株価推移

この上昇相場において個人投資家が持つ3つの思惑

こうした株式市場を見て、個人投資家の方々には様々な思惑があるでしょう。大きく分けると、1)株価はまだ上昇が続くので保有している株は継続したい、2)そろそろ株価は天井に近づいているので利益確定売りのタイミングを計りたい、3)すっかり上昇相場に乗り遅れたが今からでも間に合うだろうか、の3パターンではないでしょうか。

この中で、最も多いと推察されるのが、3)の上昇相場乗り遅れ組です。なぜならば、毎週東証から公表される「投資部門別売買状況」を見る限り、この2カ月間における個人投資家の売り越し(注:買った株式金額より売った株式金額のほうが多い)が鮮明だからです。確かに、直近の株価上昇を“利益確定の好機”と捉えた人が多くても不思議ではありません。

また、5~8月初旬にかけての株価下落を見て、“こんな異常な上昇相場には関わらないのが得策”と判断した人も少なくないでしょう。いずれにせよ、上昇相場乗り遅れ組となった個人投資家の多くが、今から参戦するのはどうなのか悩んでいると考えられます。

行き着く先が見えない上昇相場で噛みしめる5つの厳選相場格言

さて、こうした時に役に立つかもしれないのが「相場格言」です。相場格言はあくまでも格言であり、常に正しいとは限りません。しかし、昔から株式相場に伝え残る格言には、先人たちの経験と知恵が凝縮されています。

日経平均株価の10連騰や、約1年1カ月ぶりの高値更新など相場が堅調に見える今、改めて吟味しておきたい5つの格言を選んでみました。