「子どもを私立と公立のどちらに進学させたらいいのか」。これは、子どもを持つ親なら一度は考えたことがある問題なのではないでしょうか。

公立なら学校にかかる費用を抑えやすくなり、高校までは受験をしないで済みます。一方、私立に入れればお金はかかりますが、きめ細かい指導や特徴のあるカリキュラム、子どもに合った校風を選べることなど、私立ならではのメリットが得られます。家庭の教育方針や子どもの性格によっても、適切な選択肢は変わってくるでしょう。

学習費ってどのくらいかかるの?

はじめに、文部科学省の「平成28年度子供の学習調査」をもとに、高校卒業までに学習費がいくらかかるのかをみていきましょう。下記のグラフは学校種別にみた学習費総額とその内訳を示したものです。(グラフ「学校種別にみた学習費総額」を参照)

学校種別にみた学習費総額(文部科学省の資料をもとに編集部作成)

文部科学省は、学校教育費と学校給食費、および学校外活動費の3つを学習費としています。義務教育期間の授業料はすでに無償化されているため、公立を選べば授業料にはお金はかかりません。ただし、学校にかかるお金は授業料だけではないことに注意が必要です。

学校教育費には、授業料や修学旅行費、実習材料費や学校納付金、通学関係費などが含まれます。学校外活動費に該当するのは、塾代や家庭教師代などの補助学習費やスポーツ・レクリエーション費などです。

公立と比べると私立の学習費総額は、小学校で約4.7倍、中学校では約2.8倍、高等学校(全日制)では約2.3倍になっています。とくに目を引くのが、私立の学校教育費の高さではないでしょうか。その内訳で多くの割合を占めるのは、授業料と通学関連費、および学校納付金などです。

学校外活動費もあなどれない