5. 金のETFを売買するときは、信託報酬とは別の費用がかかる

金のETFは、持っている間の信託報酬のほかに、売り買いのときにも費用がかかることがあります。

5.1 証券会社の売買手数料は、取引する証券会社ごとに違う

金のETFは株式と同じように証券会社を通じて売買するため、証券会社が定める売買手数料がかかる場合があります。手数料の額や無料になる条件は証券会社ごとに異なるので、口座を開いている証券会社の手数料表で確かめます。

5.2 市場の価格は、1口あたりの純資産額から離れることがある

ETFの市場の価格は、取引所での買い注文と売り注文で決まります。そのため、ETFが持つ資産の価値から計算した1口あたりの純資産額と、市場の価格が離れることがあります。市場の価格が1口あたりの純資産額より高いときに買うと、そのぶん割高に買うことになります。

5.3 注文の前に、売りと買いの気配値の差を見る

取引が少ない時間帯は、売りの気配値と買いの気配値の差が広がることがあります。成行で注文すると思ったより不利な価格で約定することもあるため、指値で注文する方法もあります。

6. 純金上場信託は金地金に換えられるが、1kgで4万9090円の費用がかかる

純金上場信託(現物国内保管型)は、一定の条件を満たすと、持っている受益権を金地金に換えることができます。換えるときにかかる費用も確かめておきます。

6.1 小口転換は1回あたり1kg以上5kg以内、1kg単位

三菱UFJ信託銀行によると、小口転換は1回あたり1kg以上5kg以内で、1kgの整数倍の金地金に対応する口数が対象です。30万口以上を持っている人は、大口転換も請求できます。

6.2 1kgに換えると、事務取扱手数料・改鋳費用・送料で4万9090円

2026年9月30日時点の手数料(税込)は、事務取扱手数料が請求1回あたり5500円、金地金改鋳費用相当額が1kgあたり2万2000円です。金地金送料相当額は1kgで2万1590円、2〜3kgで2万1990円、4〜5kgで2万5940円です。1kgの金地金に換える場合は、合わせて4万9090円になります。

このほか、小口転換を取り扱う証券会社が定める手数料や、消費税相当額の支払いが必要な場合があります。特定口座(源泉徴収あり)で持っている場合は、推定譲渡所得相当額の支払いが必要になることもあります。

7. 金のETFや投資信託の費用は、目論見書と運用会社のページで確かめる

料率は改定されることがあるため、買う前と持っている間に、最新の資料で確かめておきます。

7.1 信託報酬が税込か、投資先のETFの分を含む実質の料率か

信託報酬は、税込と税抜のどちらで示しているかを確かめます。ETFに投資する投資信託では、投資先のETFの信託報酬を含めた「実質的な信託報酬」が示されているかも見ておきます。

7.2 購入時手数料は、販売会社ごとに確かめる

投資信託の購入時手数料は、目論見書に上限が書かれ、実際の料率は販売会社が決めます。同じ投資信託でも、どこで買うかで手数料が変わることがあります。

7.3 監査報酬や売買委託手数料など、信託報酬以外の費用もある

投資信託では、信託報酬のほかに監査報酬や売買委託手数料なども信託財産から差し引かれます。これらは事前に料率を示せないことが多いため、運用報告書で実際にかかった費用を確かめます。

8. まとめ

金のETFと金の投資信託の信託報酬は、2026年10月15日時点で、NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信の年0.176%から、三菱UFJ 純金ファンドの実質年0.99%程度まで開きがあります。100万円分を10年間持つと、信託報酬の合計は1万7600円から9万9000円まで変わる計算です。

ETFは売買のときに証券会社の手数料や市場の価格のずれ、金地金に換えるときには別の費用もかかります。料率は改定されることがあるので、目論見書や運用会社のページで最新の数字を確かめておきましょう。

※本記事は商品の費用を解説するもので、特定の金融商品の購入・売却を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身で行ってください。

参考資料

中本 智恵