金に投資する方法には、金地金や純金積立のほかに、金の価格に連動するように運用される上場投資信託(ETF)や投資信託があります。

金のETFや投資信託は、持っている間ずっと信託報酬などの費用がかかります。2026年10月15日時点で運用会社などが公表している料率を並べると、年0.176%から年0.99%程度まで開きがありました。

この記事では、主な金のETFと金の投資信託の信託報酬を比べ、100万円分を10年間持ったときの費用を試算します。売買や金地金への転換のときにかかる費用もあわせて確認します。

1. 金のETFや投資信託は、持っている間ずっと信託報酬がかかる

金のETFは、金の価格に連動するように運用され、証券取引所に上場しているファンドです。株式と同じように、証券会社を通じて取引時間中に市場の価格で売買します。

金の投資信託は上場しておらず、販売会社を通じて1日1回算出される基準価額で買ったり解約したりします。

どちらも、運用や管理の費用として信託報酬がかかります。信託報酬は年率で示され、ファンドの純資産から日々差し引かれるため、別に請求書が届くことはありません。そのぶん、持っている期間が長いほど負担は積み上がります。

2. 主な金のETFの信託報酬は、2026年10月時点で年0.176%から0.440%

東京証券取引所に上場している主な金のETFについて、運用会社などが公表している信託報酬を比べると、次のとおりです。

金のETFと金の投資信託の信託報酬(年率)1/2

金のETFと金の投資信託の信託報酬を比べた棒グラフ。NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信は年0.176%、SPDRゴールド・シェアは総経費率0.40%、純金上場信託(現物国内保管型)は0.440%、三菱UFJ 純金ファンドは実質年0.99%程度

出所:各社の公表資料をもとにLIMO編集部作成(2026年10月15日時点)

2.1 NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)は年0.176%

野村アセットマネジメントが運用する「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信」(銘柄コード1328)の信託報酬は、税込で年0.176%です。円に換算した金価格への連動を目指しており、2026年10月14日時点の純資産総額は545.4億円でした。

2.2 SPDRゴールド・シェア(1326)は総経費率0.40%

「SPDRゴールド・シェア」(銘柄コード1326)は、米国で設定された金のETFで、東京証券取引所にも2008年6月に上場しました。運用会社のステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、総経費率を0.40%としています。

2.3 純金上場信託(現物国内保管型)(1540)は年0.440%

三菱UFJ信託銀行が受益権を発行する「純金上場信託(現物国内保管型)」(銘柄コード1540、愛称:金の果実)の信託報酬は、2026年9月30日時点で税込年0.440%(税抜0.40%)です。国内に保管された金地金を裏付けにしており、2026年9月30日時点の残高は1兆5152億円でした。

3. 金のETFに投資する投資信託は、実質の信託報酬が年0.99%程度

上場していない金の投資信託では、三菱UFJアセットマネジメントの「三菱UFJ 純金ファンド」(愛称:ファインゴールド)があります。同社は、このファンドの運用管理費用(信託報酬)を年率0.99%程度(税抜0.9%程度)としています。

この0.99%程度には、ファンドが投資対象とするETFの信託報酬も含まれています。投資信託がETFに投資する形をとると、投資信託自身の信託報酬に投資先のETFの信託報酬が重なるため、ETFを直接持つより料率が高くなります。

購入時手数料は購入価額に対して上限1.1%(税抜1%)で、実際の料率は販売会社が決めます。換金するときの手数料はかかりません。

4. 100万円分を10年持つと、信託報酬の合計は1万7600円から9万9000円

4つの商品の料率で、100万円分を10年間持ったときの信託報酬の合計を計算しました。評価額が100万円のまま変わらないと仮定した単純な試算です。

100万円分を10年間持ったときの信託報酬の合計(試算)2/2

100万円分を10年間持ったときの信託報酬の合計を試算した棒グラフ。NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信は1万7600円、SPDRゴールド・シェアは4万円、純金上場信託は4万4000円、三菱UFJ 純金ファンドは9万9000円で、購入時手数料が上限の1.1%なら11万円

出所:各社の公表資料(2026年10月15日時点)の料率をもとにLIMO編集部作成。評価額が100万円のまま変わらないと仮定

4.1 年0.176%なら10年で1万7600円、年0.440%なら4万4000円

年0.176%のNEXT FUNDS 金価格連動型上場投信は、1年あたり1760円で、10年間の合計は1万7600円です。総経費率0.40%のSPDRゴールド・シェアは10年で4万円、年0.440%の純金上場信託は10年で4万4000円になります。

4.2 実質年0.99%程度なら10年で9万9000円、購入時手数料を足すと11万円

三菱UFJ 純金ファンドは、年0.99%で計算すると1年あたり9900円で、10年間の合計は9万9000円です。購入時手数料が上限の1.1%なら1万1000円が加わり、合計は11万円になります。

最も低い年0.176%と年0.99%の差は、10年間で8万1400円です。実際には評価額が上がれば信託報酬の金額も増え、下がれば減ります。

金のETFと金の投資信託の信託報酬は、2026年10月15日時点で年0.176%から0.99%程度まで開きがあります。100万円分を10年間持つと、信託報酬の合計は商品によって1万7600円から9万9000円まで変わる計算です。

同じように金の価格に連動する商品でも、ETFに投資する投資信託では、投資先のETFの信託報酬が実質の料率に含まれています。

ここからは、金のETFを売買するときの費用と、金地金に換えるときの費用、費用を確かめる資料を見ていきます。