4. 新NISAで値下がりしたときに知っておきたい2つのこと

2026年9月のように、保有している資産の値動きで投資信託の純資産総額が減る月もあります。新NISAで持っている投資信託が値下がりしたときの扱いを確認します。

4.1 NISA口座の損失は、ほかの口座の利益と相殺できない

NISA口座で生じた売却損は、税金の計算上はなかったものとして扱われます。そのため、特定口座や一般口座で出た売却益や配当金と差し引きする損益通算はできず、翌年以降に損失を繰り越す繰越控除も使えません。

値下がりしたからといって売却を急いでも、税金の面で取り戻せるものはありません。

4.2 売却して空いた非課税枠を使えるのは翌年から

新NISAでは、売却すると、その商品を買ったときの金額(簿価)の分だけ生涯の非課税保有限度額が空きます。ただし、空いた枠を使えるようになるのは売却した翌年です。

また、年間投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)は売却しても戻りません。値動きに合わせて売り買いを繰り返すと、その年に使える枠を減らすことになります。

5. 分配金を出す毎月決算型の投資信託は、新NISAの対象外

2026年9月の公募株式投信(ETFを除く)の収益分配額は3015億円で、このうち毎月決算型の投資信託が2332億円を占めました。毎月決算型への資金増減額も2949億円の流入超です。

5.1 つみたて投資枠も成長投資枠も、毎月分配型の投資信託は買えない

新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠のどちらも、毎月分配型の投資信託は対象になっていません。成長投資枠では、信託期間が20年未満のものや、高レバレッジ型のものも対象外です。

毎月決算型の投資信託を持ちたい場合は、特定口座や一般口座で買うことになり、分配金には税金がかかります。

5.2 分配金は純資産から支払われる

分配金は、投資信託の純資産の中から支払われます。分配金を受け取ると、その分だけ基準価額は下がります。投資信託概況でも、収益分配額は純資産総額を減らす要因として差し引かれています。

6. 自分の投資信託の数字は、月次レポートと取引残高報告書で確かめる

投資信託全体の資金の流れと、自分が持っている商品の状況は別のものです。手元で確かめられる資料を整理します。

6.1 運用会社の月次レポートで、純資産総額と資金の動きを見る

多くの運用会社は、商品ごとに月次レポートを公表しています。純資産総額や基準価額の推移、組み入れている上位の銘柄や国・地域の比率が載っていて、投資信託概況の数字と同じように、その商品にお金が入っているか、資産の値動きで増減しているかを確かめられます。

6.2 取引残高報告書で、買った金額と評価額を並べる

証券会社や銀行から届く取引残高報告書には、保有している投資信託の数量と評価額が載っています。積み立てた金額の合計と評価額を並べ、分配金を受け取っている場合はその額も足して、損益を自分で計算してみましょう。

NISA口座の非課税保有限度額をどれだけ使っているかは、金融機関のウェブサイトやアプリの口座画面で確かめられます。

7. まとめ

資産運用業協会の投資信託概況によると、2026年9月の公募株式投信(ETFを除く)は2兆155億円の流入超で、40か月連続の流入超となりました。内外・株式の9119億円と海外・株式の5767億円が多く、インデックス型への流入は1兆2340億円でした。

一方で、運用増減額が5兆3000億円のマイナスとなり、純資産総額は8月末から3兆5861億円減っています。新NISAで積み立てを続けるときは、統計の数字と自分の商品の数字を分けて確かめ、値下がりした月にも積み立てを続けられるかを見ておきましょう。

参考資料