3. 個人向け国債の発行額が多かった2006年も2026年も、固定5年が半分を超えている

財務省の発行額の推移を年ごとにタイプ別で足し上げると、発行額が最も多かった2006年と、それを上回った2026年には共通点がありました。

3.1 2006年は固定5年が4兆2182億円で55.8%、発行は年4回だった

2006年の発行額7兆5605億円のうち、固定5年は4兆2182億円で55.8%、変動10年は3兆3423億円で44.2%でした。固定5年は2006年1月に発行が始まったばかりのタイプで、当時の発行は1月・4月・7月・10月の年4回でした。

3.2 2026年は10月発行分までで固定5年が4兆3174億円、52.0%を占める

2026年の10月発行分までの8兆2947億円では、固定5年が4兆3174億円で52.0%、変動10年が2兆6647億円で32.1%、固定3年が1兆3127億円で15.8%です。いまは3タイプとも毎月発行されていますが、固定5年が半分を超える点は2006年と同じでした。

銀行の窓口で国債をご案内していた頃も、満期まで利率が変わらない分かりやすさから、固定金利のタイプを選ぶ方が多くいらっしゃいました。どのタイプが多く買われているかは、あくまで全体の合計です。ご自身に合うタイプは、お金を使う予定から考える必要があります。

4. 個人向け国債の10月募集分を申し込む前に、確かめておきたい3つのこと

発行額が増えているときこそ、商品のしくみをもう一度確かめてから申し込むことが大切です。10月募集分を例に、3つの点を確認します。

4.1 固定5年の年2.39%は、満期の2031年11月15日まで変わらない

固定5年と固定3年は、発行時の利率が満期まで続きます。10月募集分の固定5年なら、2031年11月15日の満期まで年2.39%です。あとで金利が上がっても、すでに買った分の利率は上がりません。

変動10年は、基準金利に0.66を掛けた利率に半年ごとに見直されます。金利が上がれば利子は増えますが、下がれば利子も減り、下限は年0.05%です。

4.2 10月募集分を中途換金できるのは、2027年11月15日以後

個人向け国債は、第2期利子支払日(発行から1年経過)以後でないと、原則として中途換金できません。10月募集分の利払日は毎年5月15日と11月15日なので、中途換金ができるようになるのは2027年11月15日以後です。

中途換金するときは、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。1年以内に使う予定のあるお金は、普通預金などに残しておくと安心です。

4.3 申し込みは募集期間内に、口座のある取扱機関で

個人向け国債は、銀行や証券会社などの取扱機関で、1万円から1万円単位で申し込めます。国債を管理する口座がない場合は、先に口座を開く必要があります。

10月募集分の募集期間は10月30日までで、発行日の11月16日までは利子がつきません。預金から移す場合は、移す日と発行日の間の期間も含めて予定を立てておきましょう。

5. まとめ

個人向け国債の10月募集分は、固定5年が年2.39%、固定3年が年2.07%、変動10年が初回年2.05%で、募集は10月30日までです。2026年の発行額は10月発行分までで8兆2947億円となり、年間で最も多かった2006年の7兆5605億円を上回りました。

2006年も2026年も、発行額の半分以上は固定5年でした。多くの人が買っているかどうかではなく、使う予定のない期間と利率の決まり方から、金額とタイプを選びましょう。

参考資料

中本 智恵