4. 金融庁が注意を呼びかける、証券口座への不正アクセス・不正取引
NISA口座で株式や投資信託を持つ人が増える一方で、証券会社のインターネット取引サービスへの不正アクセスも起きています。金融庁は、ページ「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」を2026年10月9日に更新し、被害の状況を公表しています。
証券会社等のインターネット取引サービスへの不正アクセス件数(2025年1月〜2026年9月)3/3
出所:金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」をもとにLIMO編集部作成
4.1 不正アクセスは2025年4月の5490件が最も多く、2026年9月は37件
金融庁の資料によると、証券会社等のインターネット取引サービスへの不正アクセスは、2025年3月に2321件、4月に5490件、5月に3404件と急増しました。その後は減り、2026年に入ってからは月に10件台から300件台で推移しています。2026年9月は37件でした。
2025年1月から2026年9月までの不正アクセスの合計は1万9252件です。数値は各証券会社等から報告を受けた発生日ベースの暫定値で、まだ判明していない不正アクセスがある可能性もあるとされています。
4.2 偽のサイトで盗んだIDやパスワードで、口座の株式が売られる
金融庁は、実在する証券会社のウェブサイトを装った偽のサイト(フィッシングサイト)などで盗まれたログインIDやパスワードによる被害に注意を呼びかけています。不正にログインした人が口座の株式などを売り、その代金で国内外の小型株などを買い付ける例が多いとしています。
不正取引が発生した証券会社等の数は、2025年5月の16社が最も多く、2026年9月は2社でした。件数が減っても、被害がなくなったわけではありません。
5. 新NISAの口座を守るために確かめておきたい4つのこと
金融庁は、利用者が取れる対策として次のような点を挙げています。NISA口座を開いている証券会社や銀行のサービスで、設定できているか確かめておきます。
5.1 メールやSMSのリンクから証券会社のサイトを開かない
見覚えのある送信者からのメールやSMSでも、記載されたリンクは開かないよう求めています。証券会社のサイトには、正しいURLをブックマークしておき、そこからアクセスします。
5.2 多要素認証と通知サービスを有効にする
ログイン時・取引時・出金時などの多要素認証や、取引の通知サービスを有効にします。パスキー認証など、より強固な方法が提供されたら速やかに設定するよう呼びかけています。
5.3 パスワードは使い回さず、長く推測されにくいものにする
ほかのサービスと同じパスワードを使っていると、別のサービスから漏れた情報で不正にログインされるおそれがあります。パスワードを使う場合は、長く推測されにくいものにします。
5.4 口座の状況をこまめに確かめ、不審な点があれば証券会社に連絡する
積立投資は設定したあと画面を見なくても続きますが、ときどきログインして取引の履歴や残高を確かめておくと、身に覚えのない取引に早く気づけます。心配な点があれば、証券会社の問い合わせ窓口に連絡し、速やかにパスワードを変更します。
身に覚えのないログインや取引があった場合は、まず各証券会社の問い合わせ窓口に相談します。金融庁の金融サービス利用者相談室(平日10時から17時、ナビダイヤル0570-016811)でも相談を受け付けています。
6. まとめ
金融庁の「NISA口座の利用状況調査」では、2026年6月末のNISA口座数は3048万850口座で、半年で227万4416口座増えました。増えた口座の数は50歳代が46万7269口座で最も多く、10歳代の口座は約3.7倍の49万730口座になっています。
証券会社等のインターネット取引サービスへの不正アクセスは、2025年4月の5490件をピークに減っていますが、2026年9月も37件ありました。NISA口座を開いている金融機関で、多要素認証や通知サービスが設定できているかを確かめておきましょう。
※本記事は統計と制度を解説するもので、特定の金融商品の購入・売却を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身で行ってください。