さらにインフルエンザが流行していた時期に体調を崩したBさん。38度を超える熱があり「完全にインフルエンザだな」と思って会社に休んで病院へ行く旨の連絡をしたのだそう。すると上司からBさんの携帯に直接連絡が入り、「インフルエンザだとわかると5日間休まなければいけなくなるからマスクをして会社へ来い」と言うのです。
その会社にはインフルエンザを罹患した場合、5日間休まなければならないというルールがありました。しかし、それはインフルエンザだと判明したときのこと。診察を受けなければ休む必要はないというブラック上司の言い分に「この会社では社員が死んでしまう」とゾッとしたと言います。
災害なのに出社を求められることも
IT企業勤務のCさんは、「最近の巨大台風の時にも会社に来るよう言われた」と苦笑い。Cさんは「それも仕事柄、やむをえないとは思っているものの…」と付け足し、話してくれました。「ITインフラの仕事だから仕方ないけれど、『お前だけは何があっても出てこい』と言われるとツライものがある」と語ります。Cさんは経験も豊かで社歴も長いため、周囲から信頼されているようです。
「頼りにしてもらっているからこそ、というのは理解できるけど、目の前で災害が起きているのにそう言われるのがつらかった」とのこと。特にその時はCさんが住む地域で被害が大きい中、心配する家族を置いて出社したと言います。
「幼い子どもがいて、妻が不安そうにしているのも知っていた。近くに氾濫しそうな川はないものの、土地が低いので心配していた。妻の身からすれば、子どもを守らなければならないし、夫は仕事へ行ってしまう。避難するかしないかとか、家の近くで水が溜まっているとか、何度かLINEが来ていて心苦しかった」と語っていました。
確かに、家族のことを考えると心が痛むのもわかります。Cさん以外にも、医療関係やインフラ系、消防関係などの人は仕事柄、出勤しなければならない人が多かったでしょう。私たちもその恩恵を受けている身として、日頃から感謝したいものです。
まとめ
ブラック企業の話はいつ自分の身に襲い掛かってくるかわかりません。就職や転職の前にはしっかりその会社のことを調べておきましょう。また、会社全体がブラックではなくても、特定の上司が理不尽すぎて「ブラック部署」になっているケースも多いようです。可能なら、入社後に上司となる人とは事前に会わせてもらう必要もありそうですね。
大塚 ちえ