5. 自治体の看護・保健職の年収を団体区分別に見ると、指定都市が673万4722円
総務省の調査では、看護・保健職の給与を勤め先の団体区分ごとにも公表しています。月収×12か月+ボーナスで年収の目安を出すと、次のとおりです。
- 指定都市(7581人):月収42万2476円・ボーナス166万5010円・年収の目安673万4722円
- 特別区(2251人):月収40万3295円・ボーナス176万7080円・年収の目安660万6620円
- 都道府県(9949人):月収40万599円・ボーナス160万3033円・年収の目安641万221円
- 市(3万9929人):月収39万1463円・ボーナス153万7308円・年収の目安623万4864円
- 一部事務組合等(7921人):月収39万8975円・ボーナス143万8037円・年収の目安622万5737円
- 町村(1万957人):月収36万4211円・ボーナス146万6267円・年収の目安583万6799円
5.1 看護・保健職の半数は市に勤めている
看護・保健職7万8588人のうち、市に勤める人が3万9929人で、およそ半数を占めています。町村は1万957人、都道府県は9949人でした。
5.2 指定都市と町村の年収の差は89万7923円、月収の差は地域手当が大きい
指定都市と町村の月収の差は5万8265円です。地域手当は指定都市が3万8366円、町村が2682円で、月収の差の6割ほどを地域手当が占めています。
6. 看護・保健職の夜間勤務手当と特殊勤務手当、一部事務組合等で多い
看護・保健職の諸手当7万5047円には、夜勤や特殊な業務に対する手当も含まれています。いずれも、全職員1人当たりに直した平均額です。
6.1 夜間勤務手当は全体で4931円、一部事務組合等は1万1836円
夜間勤務手当は、看護・保健職全体の平均で月4931円でした。団体区分別では一部事務組合等が1万1836円で最も多く、都道府県は4291円、市は4793円です。
6.2 特殊勤務手当は全体で1万4209円、一部事務組合等は3万3856円
特殊勤務手当は、看護・保健職全体の平均で月1万4209円でした。一部事務組合等では3万3856円で、全体の2倍を超えています。
一部事務組合等は、複数の自治体が事務の一部を共同で処理するために設けた団体です。勤め先の種類によって、手当の構成も変わることが分かります。
7. 賃金構造基本統計調査の保健師・助産師・准看護師の年収の目安
総務省の調査の看護・保健職は、看護師だけの区分ではありません。賃金構造基本統計調査で、看護にかかわるほかの職種の年収の目安も並べておきます。
- 保健師(平均42.4歳):月収36万1000円・年間賞与118万1800円・年収の目安551万3800円
- 助産師(平均41.2歳):月収38万9900円・年間賞与98万8200円・年収の目安566万7000円
- 看護師(平均42.1歳):月収36万5900円・年間賞与85万6400円・年収の目安524万7200円
- 准看護師(平均51.8歳):月収30万3200円・年間賞与63万6800円・年収の目安427万5200円
7.1 保健師は年間賞与が118万1800円で、看護職の4職種で最も多い
年間賞与は保健師が118万1800円で最も多く、看護師の85万6400円を32万5400円上回りました。年収の目安では助産師の566万7000円が最も高くなっています。
7.2 准看護師は平均年齢51.8歳、年収の目安は427万5200円
准看護師は平均年齢が51.8歳と高く、勤続年数も13.6年と長い一方で、年収の目安は427万5200円でした。看護師との差は97万2000円です。
8. まとめ
自治体の看護・保健職の年収の目安は625万7548円で、賃金構造基本統計調査の看護師の524万7200円を101万348円上回りました。差の7割近くはボーナスで、看護師の賞与は企業規模によって62万4200円から105万7100円まで開きがあります。
自治体の中でも、指定都市の673万4722円と町村の583万6799円では89万7923円の差があり、地域手当や夜間勤務手当などの手当の構成も勤め先で変わります。
転職や就職で勤め先を比べるときは、月給だけでなく賞与の前年度実績と、夜勤手当の1回当たりの額を書面で確かめておくと、年収の目安を同じ形で並べられます。
参考資料
- 総務省「令和7年地方公務員給与の実態」
- 総務省「令和7年地方公務員給与実態調査結果」
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
池上 翠