3. 平均値に騙されない!わが家の「本当の立ち位置」を知る方法

全国家計構造調査の世帯類型別の金融資産残高は、それぞれの類型に属する世帯の平均です。総務省統計局は、世帯類型別の図を見るときの留意点として、世帯の分布が金融資産残高の少ない階級に偏っており、中央値は平均値より低くなることを挙げています。

3.1 調査データの「中央値」に注目すべき理由とは?

同じ調査の総世帯で見ると、金融資産残高の平均は1527.2万円でした。金融資産を保有する世帯だけで並べたときの中央値は728万円で、平均の半分以下です。

金融資産残高の階級別では、150万円未満が25.7%で最も多くなっています。長子が大学生等の世帯の1408.7万円も、多くの家庭が持っている金額というより、一部の金額の大きい世帯を含めた平均として読むのが正確です。

3.2 あなたの家計はどっち?平均に届かなくても焦らなくていいワケ

1ページ目で見た家計の金融行動に関する世論調査でも、50歳代の二人以上世帯の中央値700万円は、平均1908万円の4割に届きません。平均と比べて自分の家計が少ないと感じても、真ん中の世帯はそれよりずっと低い位置にあります。

4. 金融資産・負債の「正しい数え方」のルール

自分の家計を調査の数字と比べるときは、何を金融資産や負債に数えているかをそろえる必要があります。総務省統計局は、調査の範囲を次のように説明しています。

4.1 資産に「普通預金」は入る?生命保険はどう計算する?

金融資産残高は、銀行などへの預貯金、生命保険・積立型損害保険の掛金、株式・債券・投資信託・金銭信託などの有価証券、社内預金などのその他の貯蓄の合計です。預貯金には普通預金などの通貨性預貯金も含まれます。

  • 生命保険・損害保険・簡易保険:加入してからの払込総額(掛け捨ての保険は含めない)
  • 株式・投資信託:2024年10月末日現在の時価で見積もった額
  • 貸付信託・金銭信託・債券:額面金額

一方、現金のまま家に置いているお金や手持ちの現金、知人などへの貸金は、金融資産に含めていません。

4.2 住宅ローンだけでなく「教育ローン」も負債です

金融負債残高は、金融機関からの借入金のほか、勤め先や親戚・知人からの借入金、月賦・年賦の残高を合わせたものです。中身は次の3つに分かれています。

  • 住宅・土地のための負債:住宅の購入・建築・増改築や土地の購入のための借入金の未払残高
  • 住宅・土地以外の負債:教育ローンなど生活に必要な資金や、個人事業の資金の借入金の未払残高
  • 月賦・年賦:乗用車や衣類などを分割払いで買った場合の未払残高

子どもが大学生等の時期に教育ローンを借りていれば、その残高も負債に入ります。住宅ローンだけを見て負債を少なく見積もらないようにしたいところです。

5. 今すぐ実践!夫婦で乗り切る「資産と負債」の見える化ステップ

調査の数字は10月末日現在の残高です。自分の家計と比べるなら、書類をそろえて、同じ日付の残高で書き出すと比べやすくなります。

5.1 通帳・保険証券で「現在の資産」を正確に把握する

  • 預貯金:各口座の通帳やインターネットバンキングの残高(普通預金も含める)
  • 生命保険など:保険会社から届く契約内容のお知らせなどで、これまでの払込総額を確かめる
  • 株式・投資信託:証券会社の取引残高報告書の評価額

生命保険は、解約返戻金ではなく払込総額で数えるのが調査の決まりです。どちらで数えたかをメモしておくと、翌年に同じ方法で見直せます。

5.2 返済予定表を用意!負債を可視化して不安を解消しよう

住宅ローンや教育ローンの残高は、金融機関から届く返済予定表や残高証明書で確かめられます。借入先が複数ある場合は、すべての残高を合計します。

書き出した表は、夫婦で同じものを見られるようにしておくと、進学や繰り上げ返済を考えるときに同じ数字をもとに話し合えます。

6. まとめ

家計の金融行動に関する世論調査2025年では、50歳代の二人以上世帯の金融資産は平均1908万円、中央値700万円でした。総務省統計局の令和6年全国家計構造調査では、夫婦と子ども2人で長子が大学生等の勤労者世帯は、金融資産残高1408.7万円が金融負債残高899.3万円を上回っています。

長子が未就学児や小・中学生の世帯では、負債が金融資産を上回っていました。いずれも平均の数字なので、調査と同じ範囲で自分の残高を書き出し、家族で共有しておくと、これからの資金の流れを考えやすくなります。

参考資料