4. 住宅ローン返済世帯の貯蓄と負債、2020年から2025年の推移

家計調査の貯蓄・負債編には、持家の勤労者世帯を住宅ローンの有無で分けた貯蓄と負債の推移も載っています。2020年からの6年分を並べます。

【住宅ローン返済世帯の貯蓄現在高・負債現在高】

  • 2020年:貯蓄1017万円・負債1763万円
  • 2021年:貯蓄1057万円・負債1793万円
  • 2022年:貯蓄1132万円・負債1818万円
  • 2023年:貯蓄1137万円・負債1967万円
  • 2024年:貯蓄1204万円・負債1984万円
  • 2025年:貯蓄1300万円・負債2076万円

4.1 住宅ローン返済世帯の貯蓄は5年で283万円、負債は313万円増えた

2020年と2025年を比べると、住宅ローン返済世帯の貯蓄は1017万円から1300万円へ283万円増えました。負債も1763万円から2076万円へ313万円増えています(いずれも名目の金額で、差はLIMO編集部が計算)。

負債が増えたのは2023年が大きく、1年で149万円増えています。この表は毎年の世帯の平均で、同じ世帯を追いかけた数字ではありません。新しくローンを組んだ世帯が増えると、平均の負債も上がります。

4.2 住宅ローン返済なし世帯の貯蓄は1947万円から2338万円に

住宅ローン返済なし世帯の貯蓄は、2020年の1947万円から2025年の2338万円へ391万円増えました。負債は280万円から371万円です。

住宅ローン返済世帯の貯蓄から負債を差し引くと、2025年は776万円のマイナスになります(LIMO編集部の計算)。ローンを返している間は、持家という資産の裏側に負債が残る形になるため、貯蓄だけを見ると不安に感じやすい時期です。

5. 勤労者世帯の負債現在高は1034万円、住宅・土地のための負債が9割超

勤労者世帯全体(持家以外の世帯も含む)の負債も確認します。負債現在高(負債が「0」の世帯を含めた平均値)は1034万円で、前年から10万円、1.0%増えました。

5.1 住宅・土地のための負債は961万円、借入先は民間機関が800万円

勤労者世帯の負債のうち、住宅・土地のための負債は961万円で、負債全体の92.9%を占めます。借入先の内訳では、民間機関が800万円、公的機関が153万円でした。

住宅・土地以外の負債は50万円、月賦・年賦は22万円です。勤労者世帯の負債の中心は住宅ローンといえます。

5.2 負債保有世帯は53.6%、負債がある世帯に限ると平均1928万円

勤労者世帯のうち負債を持つ世帯の割合は53.6%でした。負債保有世帯に限った負債現在高は平均1928万円、中央値は1735万円です。

勤労者世帯の約半数は負債を持たず、負債がある世帯では平均で2000万円近くを抱えています。負債の平均1034万円は、この2つのグループをならした値です。

6. 住宅ローンを返している家庭が平均と比べるときに確かめたいこと

ここまでの数字は、いずれも世帯の平均値です。自分の家庭と比べるときに気をつけたい点をまとめます。

6.1 世帯主の年齢がそろっていない区分どうしを比べている

住宅ローン返済世帯の世帯主の平均年齢は47.0歳、返済なし世帯は57.1歳です。貯蓄の差1038万円には、住宅ローンの有無だけでなく、働いてきた年数や子どもの教育費がかかる時期かどうかといった違いも入っています。

6.2 貯蓄とローン残高を同じ日付でそろえて書き出す

家計調査の貯蓄には、預貯金のほか、生命保険などの掛け金の払込総額や有価証券も含まれます。自分の家庭で比べるときは、預貯金の通帳、証券口座の評価額、保険証券に書かれた掛け金を同じ月の時点でそろえ、住宅ローンの残高証明書や返済予定表の残高と並べて書き出すと、統計の区分に近い形で確かめられます。

7. まとめ

総務省統計局の家計調査(貯蓄・負債編)2025年平均では、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄現在高は平均1717万円、貯蓄保有世帯の中央値は1015万円でした。家計収支編では、勤労者世帯の毎月の黒字は18万6111円です。

持家の勤労者世帯を住宅ローンの有無で分けると、返済世帯は貯蓄1300万円・負債2076万円、返済なし世帯は貯蓄2338万円・負債371万円でした。返済世帯の貯蓄は2020年から283万円増えています。

住宅ローンを返している時期は、貯蓄よりも負債が大きく見えやすい時期です。通帳とローンの残高を同じ日付で並べ、家族で数字を共有しておくと、平均との違いを落ち着いて確かめられます。

参考資料