上記の世代別の貯蓄現在高を見ると、60代は40歳未満の4倍弱と、その差が大きいことが分かります。また、2013年と2018年の負債現在高を比べてみると、全体では58万円増であるところ、40歳未満では317万円増、40代は111万円増で、住宅ローンや教育費を抱えた子育て世帯の家計が厳しくなっていることが想像できます。

シニア世代はローンなどの負債をほとんど返済して、十分な退職金が手に入れることができ、余裕のある老後を送れる人も少なくないものの、子育て世代はローンの返済だけではなく、社会保険料の負担や増税の影響もあり、貯蓄額を増やすことが難しくなっています。また、大企業でのリストラもめずらしくなくなっており、終身雇用も崩壊しつつある状況で、今のシニアのような退職金がもらえるとも限りません。

こうした「持てる世代」と「持たざる世代」の格差は、今後も縮まることは期待薄だということが想像できます。

貯蓄を増やすにはどうすればいい?

上記の調査結果を見て、「周りに比べると貯蓄が少ないかも…」と不安になった人もいるでしょう。どうすれば貯蓄を増やすことができるのでしょうか。

貯蓄は、①いつまでに貯める、②いくら貯める、③どのように使うということを明確に設定して、目的別に貯蓄用の口座を分けると管理しやすくなります。

たとえば「マイホームの資金として、結婚するときまでに500万円貯める」「子どもが大学入学するまでに500万円貯めておく」といったように、目標はできるだけ具体的に想定しましょう。それを貯めるためには逆算して年にいくら、月いくら貯めれば間に合うかと計算することにより、貯蓄に対する意識が高まります。

貯蓄すると決めた額は、給料日にそれぞれの口座に分けてしまうことで確実に増やすことができます。一度貯蓄用の口座に入れたお金は、余程のことがない限り使わないようにしましょう。

また、「毎月の給料から貯蓄用のお金を捻出するのが厳しい」という場合はボーナス時に一気に貯蓄を増やすというのも手です。計画なしに使いすぎて、後になってから困らないようにしたいものです。

おわりに

総務省の調査結果からは、シニア世代が十分な貯蓄を蓄えていることが分かりました。しかし、社会保険料や税金の負担増、終身雇用が崩れつつあり退職金に期待できないという未来が待ち受けているこれからの時代は、今までより貯蓄の難易度が上がると予想できます。年金に対する不安もある中で、いかに早くから用意して備えるかが大切になります。1日でも早く貯蓄目標を立て、計画的に貯蓄を増やしていけると良いですね。

LIMO編集部