3. 【女性管理職の推移】平成21年度の6.3%から、令和7年度は11.5%へ

調査には、企業規模30人以上の企業に絞った長い期間の推移もまとめられています。これによると、課長相当職以上(役員を含む)の管理職に占める女性の割合は、平成21年度の6.3%から令和7年度は11.5%になりました。

役職別では、部長相当職が平成21年度の3.1%から令和7年度は7.3%、課長相当職が5.0%から12.5%、係長相当職が11.1%から20.4%です。いずれも途中で前の年度を下回る年度はありますが、長い期間でみると高くなっています。

同じ表では、係長相当職以上(役員を含む)が平成21年度の8.0%から令和7年度は14.8%、役員が13.6%から15.1%となっています。なお、平成23年度の数字は岩手県、宮城県及び福島県を除く全国の結果で、ほかの年度と範囲が少し異なります。

なお、この推移は企業規模30人以上の数字で、1章で紹介した常用労働者10人以上の企業の数字とは調べている範囲が異なります。2つの数字は並べて比べず、それぞれの範囲の中での変化として読むことが大切です。

4. 【昇進の動き】新たに管理職に就いた女性がいた企業の割合

管理職に占める割合の動きには、新たに管理職に就く人の動きも関わります。同じ調査では、令和6年10月1日から令和7年9月30日までの1年間に、各役職に新たに就いた女性がいた企業の割合も調べています。

それによると、課長相当職以上への女性の昇進者がいた企業は10.6%で、前回調査(令和5年度)の8.6%から2.0ポイント上がりました。係長相当職以上への女性の昇進者がいた企業は15.7%で、前回の13.3%から2.4ポイント上がっています。

役職別にみると、部長相当職へは2.9%(前回1.9%)、課長相当職へは5.9%(同4.9%)、係長相当職へは8.1%(同7.7%)でした。課長相当職以上への女性の昇進者がいた企業は、1年間で全体の1割ほどという結果です。

管理職に占める女性の割合の推移(企業規模30人以上)2/2

管理職に占める女性の割合の推移(企業規模30人以上)

出所:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」をもとにLIMO編集部作成

昇進の動きは、1年ごとに入れ替わる数字です。

ご自身の職場で管理職を目指すかどうかを考えるときは、全国の割合だけでなく、社内でどの役割にどのような人が就いているか、評価や昇進の仕組みがどう説明されているかを、就業規則や人事制度の資料で確かめておくと、これから先の働き方を考えるときの材料になります。制度の詳しい中身は、勤め先の人事担当に確認してください。

5. 現役管理職が考える、キャリアを考えるときのポイント

厚生労働省の「令和7年度雇用均等基本調査」によると、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は13.8%で、部長相当職は9.2%、課長相当職は13.2%、係長相当職は20.9%でした。課長相当職以上の女性管理職がいる企業は54.1%です。

実際にはご自身の職場の状況と全国の数字を並べ、これから先、どの役割でどのように働いていきたいかを考えるときの手がかりとして参考にするといいでしょう。

一口に管理職といっても、向き・不向きがあるもの。特に女性は育児などで働き方をセーブする方が現代でも多く、管理職を目指すかどうか悩まれる方もいるでしょう。

一方で現代は70歳まで働く方も増えていますから、以前よりも長い目で見て、キャリアを考えることが大切な時代です。

キャリアとしてマネジメントを選ぶにしろ、スペシャリストを選ぶにしろ、じっくりと自分と向き合うことが大切です。意外と自分のことは客観的に見れないもの。日々の仕事の実績や職場の人とのコミュニケーションを通して、また何にやりがいを感じるか、逆に何が苦手でやりたくないと思うか…などを一つ一つ解きほぐして振り返り考えることで、自分はどちらが向いていて希望しているかも見えてくることでしょう。

いずれのキャリアを選ぶにせよ、継続が大切です。これを機にじっくりと考えて見てくださいね。

宮野 茉莉子
統計の割合は、ある時点で働いている人たちの全体像を切り取ったものです。

管理職を目指す人もいれば、専門性を深めたい人もいます。全国の数字は、自分の職場の今を知り、これからの働き方を考えるための一つの材料として使うのがよいのではないでしょうか。社内の制度や評価の仕組みを知っておくと、自分に合った道を選びやすくなります。標本調査なので、数字の小さな上がり下がりよりも、長い期間の流れに目を向けると読み取りやすくなります。

割合の数字を見るときは、どの範囲の会社を対象にしているか、いつの時点の数字かもあわせて確かめておきたいところです。同じ調査の中でも、対象にする企業の規模の線引きが違えば数字も変わります。社内の数字と比べるときも、同じ物差しかどうかを確かめてから並べると、受け取り方がぶれにくくなります。

参考資料

宮野 茉莉子