4. 個人向け国債の10月募集分は、2027年11月15日以後に中途換金できる
個人向け国債は、原則として発行から1年たつまで中途換金ができません。10月募集分の場合は、第2期利子支払日にあたる2027年11月15日以後であれば、いつでも国の買取による中途換金ができます。
4.1 中途換金で差し引かれるのは、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685
中途換金するときは、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が、中途換金調整額として差し引かれます。元本は、額面100円につき100円が戻ります。
0.79685は、利子にかかる20.315%の税金を差し引いた割合です。つまり、直前2回分の利子を税引後で受け取った額に相当する金額が差し引かれる計算です。
4.2 額面100万円の固定5年を中途換金すると、差し引かれるのは約1万9000円
10月募集分の固定5年(年2.39%)を額面100万円持っている場合、半年ごとの利子(税引前)は1万1950円です。2回分の2万3900円に0.79685を掛けると、中途換金調整額は約1万9000円になります。
発行から1年たってすぐに中途換金すると、それまでに受け取った利子の多くが差し引かれることになります。中途換金を前提にせず、満期まで持てるお金で買うことが基本です。
4.3 保有者が亡くなった場合と大規模な自然災害の場合は、1年たつ前でも中途換金できる
財務省の報道発表では、購入後に保有者が亡くなった場合や、大規模な自然災害により被害を受けた場合は、第2期利子支払日の前であっても中途換金ができるとされています。
5. 個人向け国債の3つのタイプは、お金を使う時期から選ぶ
家計相談で個人向け国債の話題になると、「いちばん利率の高いタイプを選べばよいのか」というご質問をよくいただきます。利率も大切ですが、私はまず、そのお金をいつ使う予定なのかを書き出していただくようにお伝えしています。
5.1 3年後・5年後に使う予定のお金は、固定3年・固定5年と満期を合わせる
子どもの進学費用や住宅の頭金、車の買い替えなど、使う時期がおおよそ決まっているお金は、その時期までに満期が来るタイプを選ぶと、中途換金をせずに済みます。
10月募集分なら、固定3年の満期は令和11年11月15日、固定5年の満期は令和13年11月15日です。使う予定の時期と並べて、満期がその前に来るかを確かめておくと安心です。
5.2 変動10年の年2.05%は、初回の利子に使われる利率
変動10年は、半年ごとに適用利率が見直されます。市場の金利が上がれば利率も上がり、下がれば利率も下がる仕組みで、下限は年0.05%です。
10月募集分の年2.05%は初回の利子に適用される利率で、10年間この利率が続くと決まっているわけではありません。使う時期がまだ決まっていないお金を、金利の動きに合わせて受け取りたい場合に向いたタイプといえます。
5.3 すぐに使うかもしれないお金は、個人向け国債とは分けておく
個人向け国債は、発行から1年間は原則として中途換金ができません。病気やけが、急な出費に備える生活費の数か月分は、いつでも引き出せる預金に残しておきましょう。
利率が上がっている時期ほど、手元のお金を多めに回したくなるものです。まずは家計の中で、すぐに使うお金と当面使わないお金を分けるところから始めてみてください。
6. まとめ
個人向け国債の10月募集分は、固定5年が年2.39%、固定3年が年2.07%、変動10年が年2.05%で、3タイプとも年2%台になりました。1年前の10月募集分と比べると、固定5年は1.22%から1.17ポイント上がっています。
中途換金は発行から1年たってからが原則で、直前2回分の利子に相当する額が差し引かれます。利率の高さだけでなく、お金を使う時期と満期が合っているかもあわせて確かめておきましょう。
参考資料
宮野 茉莉子