5. 地方公務員の技能労務職の年収を、民間の近い職種と比べる
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」には、民間で働く人の職種別の賃金が載っています。技能労務職と仕事の内容が近い3つの職種を選び、同じ計算のしかたで年収の目安を出しました。
5.1 民間の清掃員・廃棄物処理従事者は年収の目安が398万6000円
民間の「清掃員(ビル・建物を除く),廃棄物処理従事者」は、きまって支給する現金給与額が月28万6600円、年間賞与その他特別給与額が54万6800円です。年収の目安は398万6000円になります。
平均年齢は49.3歳、勤続年数は10.9年でした。
5.2 民間の飲食物調理従事者は379万800円、警備員は379万9400円
学校給食員に近い民間の「飲食物調理従事者」は、月28万6600円、年間賞与その他特別給与額が35万1600円で、年収の目安は379万800円です。平均年齢は44.9歳でした。
守衛に近い民間の「警備員」は、月28万8300円、年間賞与その他特別給与額が33万9800円で、年収の目安は379万9400円です。平均年齢は53.8歳でした。
- 清掃職員648万8601円:清掃員・廃棄物処理従事者398万6000円
- 学校給食員588万5644円:飲食物調理従事者379万800円
- 守衛649万6666円:警備員379万9400円
5.3 年齢や時点がそろっていない点には注意したい
この比較は、前提が完全にはそろっていません。地方公務員は令和7年4月1日時点の数字で、民間は令和7年6月分の賃金と前年1年間の賞与です。民間は企業規模10人以上の事業所で働く一般労働者が対象です。
平均年齢も、学校給食員の51.6歳に対して飲食物調理従事者は44.9歳と、7歳近く離れています。民間の「飲食物調理従事者」には飲食店の調理人なども含まれるため、仕事の内容も同じではありません。
5.4 総務省は技能労務職員の給与で民間との均衡を求めている
総務省は令和7年、地方公共団体に対して給与改定の取扱いを通知し、技能労務職員の給与について次のように求めています。
技能労務職員の給与については、民間の同一又は類似の職種に従事する者との均衡等に留意し、適正な給与制度・運用とすること。
出所:総務省「令和7年地方公務員給与の実態」参考資料(地方公務員の給与改定等に関する取扱いについての通知)
技能労務職の職員数は、令和6年の6万5063人から令和7年は6万1790人へ、1年で3273人(5.0%)減りました。学校給食員は632人(6.7%)、用務員は825人(6.8%)の減少です。
6. まとめ
地方公務員の技能労務職は6万1790人で、年収の目安は全体で611万5487円でした。職種別では、守衛の649万6666円が最も高く、学校給食員の588万5644円が最も低くなっています。
給料月額はどの職種も31万円前後で、年収の差を生んでいるのは特殊勤務手当や時間外勤務手当などの諸手当です。
民間の近い職種と比べると年収の目安は高く出ますが、年齢や時点、仕事の範囲はそろっていません。自分の地域の水準を知りたいときは、住んでいる自治体の「給与・定員管理等について」の公表資料を見てみましょう。
参考資料
太田 彩子