人事院は2026年9月、令和8年国家公務員給与等実態調査の結果を公表しました。行政職俸給表(一)が適用される国家公務員の平均給与月額は、令和8年4月時点で42万8451円です。

一方、地方公務員の給与は総務省の地方公務員給与実態調査で公表されており、最新は令和7年4月1日時点の結果です。国と地方の給与を比べるときは、時点と「何を含めた金額か」をそろえる必要があります。

この記事では、同じ令和7年4月時点の数字で、地方公務員の一般行政職と国家公務員の平均給料月額・諸手当・平均給与月額を並べ、差がどこから生まれるのかを確認します。

1. 地方公務員(一般行政職)の平均給与月額は41万3968円(令和7年4月)

総務省の令和7年地方公務員給与実態調査によると、全地方公共団体の一般行政職の平均給与月額は41万3968円でした。平均給与月額は、平均給料月額に諸手当月額を足した金額です。

地方公務員(一般行政職)と国家公務員(行政職俸給表(一))の平均給与月額(令和7年4月)1/2

令和7年4月時点の地方公務員の一般行政職と国家公務員の行政職俸給表(一)について、平均年齢・平均給料(俸給)月額・諸手当月額・平均給与月額を並べた表。時間外勤務手当等を除いた国比較ベースでは地方が37万2336円になることを示している

出所:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査結果等」第9表 職種別平均給与月額をもとにLIMO編集部作成

1.1 地方公務員の一般行政職は給料32万6911円・諸手当8万7057円

一般行政職の内訳は次のとおりです。

【地方公務員(全地方公共団体・一般行政職)令和7年4月】

  • 平均年齢:42.0歳
  • 平均給料月額:32万6911円
  • 諸手当月額:8万7057円
  • 平均給与月額:41万3968円
  • 平均給与月額(国比較ベース):37万2336円

平均給料月額には、給料の調整額と管理監督職勤務上限年齢調整額が含まれます。諸手当月額は、扶養手当・地域手当・住居手当・時間外勤務手当など、月ごとに支払われる手当の合計です。

1.2 期末手当・勤勉手当(ボーナス)は平均給与月額に含まれない

総務省の資料では、諸手当月額に期末手当・勤勉手当、寒冷地手当などは含めていません。6月と12月に支給されるボーナスは、平均給与月額とは別に支給されます。

2. 国家公務員(行政職俸給表(一))の平均給与月額は41万4480円(令和7年4月)

同じ第9表には、比較のために国家公務員の数値も載っています。一般行政職に対応するのは、行政職俸給表(一)が適用される職員で、出所は人事院の国家公務員給与等実態調査です。

【国家公務員(行政職俸給表(一))令和7年4月】

  • 平均年齢:41.9歳
  • 平均俸給月額:33万2237円
  • 平均給与月額:41万4480円

平均年齢は地方の42.0歳に対して国は41.9歳で、ほとんど変わりません。俸給月額と地方の給料月額の差は5326円で、国のほうが高くなっています。

3. 国家公務員と地方公務員の平均給与月額の差は512円、同じ基準なら4万2144円

国家公務員と地方公務員の平均給与月額を、そのまま並べた場合と、含める手当をそろえた場合で比べます。

3.1 公表値どうしでは国家公務員が512円高い

公表されている平均給与月額は、国家公務員が41万4480円、地方公務員の一般行政職が41万3968円です。差は月512円で、ほぼ同じ水準に見えます(差はLIMO編集部で計算)。

3.2 時間外勤務手当等を除くと地方公務員は37万2336円

ところが、総務省が国と同じ基準で計算した地方公務員の平均給与月額(国比較ベース)は37万2336円です。国家公務員の41万4480円と比べると、差は月4万2144円に広がります(差はLIMO編集部で計算)。

4. 国家公務員と地方公務員の差は「時間外勤務手当等を含むかどうか」で生まれる

公表値どうしでほぼ同じに見えた差が4万円あまりに広がるのは、国と地方で平均給与月額に含めている手当の範囲が違うためです。

4.1 国家公務員の平均給与月額には時間外勤務手当等が含まれていない

総務省は、国比較ベースを「比較のため国の公表資料と同じベース(=時間外勤務手当等を除いたもの)で算出したもの」と説明しています。地方公務員の平均給与月額41万3968円と国比較ベース37万2336円の差、4万1632円が、時間外勤務手当等にあたる部分です(差はLIMO編集部で計算)。

なお、給料表そのものの水準を比べる指標として、総務省はラスパイレス指数も公表しています。学歴と経験年数の構成をそろえ、国の俸給月額を100として計算した指数で、令和7年4月1日時点の全地方公共団体の平均は98.9でした。

令和7年4月時点の公表値では、地方公務員の一般行政職と国家公務員の平均給与月額はどちらも41万円台で、差は512円でした。時間外勤務手当等を除いた同じ基準で比べると、地方公務員は37万2336円となり、国家公務員との差は月4万2144円になります。

公務員の給与の数字を比べるときは、その金額に時間外勤務手当が含まれているかどうかを、出所の資料の注記で確かめることができます。

ここからは、国と地方の平均給与月額が前年からどれだけ上がったのかと、銀行で家計のご相談に携わってきた経験から、公務員の給与の数字を家計の目安にするときに確かめたい点を見ていきます。

中本 智恵

同じ「平均給与月額」という名前でも、資料によって含まれている手当の範囲は違います。国家公務員の平均給与月額には時間外勤務手当が含まれていないため、地方公務員の数字と比べるときは、総務省が示している国比較ベースの37万2336円を並べるとよいでしょう。