3. 本人の住民税が非課税になっても、住民税非課税世帯になるとは限らない

障害者控除対象者認定で非課税になるのは、あくまで本人の住民税です。住民税非課税世帯として扱われるには、同じ世帯の全員の住民税がかからないことが前提になります。

住民税の課税情報を参照して保険料を計算していた頃も、本人は非課税なのに世帯としては課税、という説明を何度もしてきました。ここでは、65歳以上の介護保険料を例に、その違いを確認します。

3.1 65歳以上の介護保険料は、本人と世帯の課税状況で段階が分かれる

目黒区の令和6年度から令和8年度の介護保険料では、世帯全員の住民税が非課税の人は第1段階から第3段階、本人は非課税でも世帯に課税の人がいれば第4段階か第5段階です。本人が課税なら第6段階以上になります。

年金収入200万円(合計所得金額90万円)の単身の65歳以上の人が、目黒区で住民税を課税されていた場合と、認定によって非課税になった場合を、目黒区の表で比べてみます。

  • 本人が課税の場合(第6段階):年額8万1840円
  • 障害者控除対象者認定で非課税になり、世帯全員が非課税の場合(第3段階):年額4万8360円
  • 本人は非課税で、同じ世帯に課税の人がいる場合(第5段階):年額7万4400円

単身なら本人が非課税になれば世帯全員が非課税ですが、課税される子と同じ世帯に住んでいれば第5段階にとどまります。目黒区の表は令和8年度までのもので、令和9年度以降の金額は改めて確かめる必要があります。

3.2 非課税かどうかの判定は、前年の所得と申告をもとに行われる

住民税の非課税の基準は、前年の合計所得金額で判定されます。新宿区は、所得税の確定申告や給与所得者の年末調整で障害者控除の手続きが済んでいる場合などは、住民税の申告は必要ないとしています。

年金だけで暮らしていて確定申告をしていない人は、住民税の申告が必要かどうかを市区町村の税務の窓口で尋ねておくと確実です。

4. 障害者控除対象者認定書は、扶養している家族の申告にも使える

認定書は、本人の住民税の判定だけに使うものではありません。親を扶養している子が、親の分の障害者控除を受けるときにも使えます。

4.1 扶養している子は親の分の障害者控除を受けられる

千葉市は、認定書をもって確定申告などをすると、本人または扶養者が障害者控除を受けられ、所得税や市民税が減額になる場合があると案内しています。国税庁によると、所得税の障害者控除は障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円です。

住民税の障害者控除は、仙台市によると障害者26万円、特別障害者30万円、同居特別障害者53万円です。親が非課税にならない場合でも、扶養している家族の税金が軽くなることがあります。

4.2 過去の年分をさかのぼって申請できる市もある

千葉市は、最長で5年分をさかのぼって申請できるとしています。ただし、過去の介護保険の認定調査の資料をもとに審査するため、5年分を交付できない場合もあるとしています。

江東区は、令和8年分の認定は令和9年1月以降に申請するよう案内しています。申請の時期や受付の方法は市区町村によって違うため、介護保険の担当窓口に問い合わせてから申請してください。

5. まとめ

障害者は、前年の合計所得金額が135万円以下なら住民税がかかりません。65歳以上で要介護認定を受けている人は、市区町村の障害者控除対象者認定を受けると税法上の障害者に含まれ、年金だけなら年金収入245万円以下が非課税の目安になります。

ただし、住民税非課税世帯になるには同じ世帯の全員が非課税であることが必要で、認定の基準も市区町村ごとに違います。認定は住んでいる市区町村の介護保険の担当窓口、税金への反映は税務の窓口や税務署で確かめてから手続きを進めると安心です。

参考資料

太田 彩子