住民税非課税世帯を対象にした支援は数多くありますが、「世帯」という言葉が付いている点を見落とすと判定を誤ります。

本人が非課税でも、同じ世帯にひとりでも課税されている人がいれば、その世帯は住民税非課税世帯になりません。

この記事では、世帯単位で判定される仕組みと、受けられる優遇措置を確認します。2ページ目では、世帯を分けるという選択肢について、影響が及ぶ制度を一覧で見ていきます。

1. 【住民税非課税世帯】判定は世帯全員でおこなう

まず言葉の定義から押さえましょう。住民税非課税世帯とは、その世帯の構成員全員が住民税非課税である世帯を指します。

申請が要るものと自動で適用されるものがあり、付く条件も制度ごとに違います1/2

住民税非課税世帯が受けられる優遇措置8つと、それぞれ申請が必要かどうかを並べた一覧表

出所:総務省・厚生労働省・こども家庭庁・文部科学省・日本年金機構・日本放送協会の公表資料をもとにLIMO編集部作成

1.1 「住民税非課税」の状態とは

住民税は、均等割と所得割という2つの要素で構成されています。均等割は所得の金額にかかわらず一定以上の所得がある人に一律で課され、所得割は前年の所得金額に応じて課されるものです。

この均等割と所得割の両方が課税されない状態が住民税非課税です。片方だけ非課税でも、この状態には当てはまりません。

ただし「所得割のみ非課税」という状態もあり、これで給付金などの対象になるかどうかは自治体の判断に委ねられています。

1.2 ひとりでも課税されていれば世帯ごと外れる

世帯全員が非課税という条件は、思っている以上に厳しく働きます。年金だけで暮らす親と、働いている子が同居している場合を考えてみましょう。

親の年金収入が非課税ラインを下回っていても、同居する子に給与収入があって課税されていれば、その世帯は住民税非課税世帯には該当しません。親本人が非課税かどうかとは別の話になります。

判定の単位になるのは住民票上の世帯です。同じ家に住んでいても世帯を分けていれば別々に判定されますし、逆に世帯が一つなら全員がまとめて見られます。

1.3 該当するのは高齢者世帯だけではない

住民税非課税世帯というと年金で暮らす高齢者を思い浮かべがちですが、それだけではありません。

失業して収入が途絶えた人、育児休業で一時的に所得が減った世帯、所得が一定以下のフリーランスなども対象になり得ます。前年の所得で判定されるため、収入が減った年ではなく、その翌年度に反映されるという点も押さえておきたいところです。

2. 該当すると受けられる8つの優遇措置

臨時の給付金とは別に、恒常的な支援策も用意されています。代表的なものを見ておきましょう。

2.1 保険料と年金に関するもの

  • 国民健康保険料の減額:応益分保険料(均等割・平等割)が7割・5割・2割のいずれかで軽減される。自治体が判定するため申請は不要
  • 介護保険料の負担軽減:65歳以上の第1号被保険者が対象。保険料の基準額と所得段階ごとの割合は市町村が定めるため、軽減の幅は地域によって異なる
  • 国民年金保険料の免除・納付猶予:全額免除、一部免除、納付猶予のいずれか。いずれも申請が必要

国民健康保険料の減額は申請がいりませんが、自治体が所得を把握できていることが前提です。収入がなかった年も住民税の申告をしておかないと、判定そのものができません。

国民年金保険料について、将来の年金額に一部が反映されるのは免除の期間です。納付猶予の期間は受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されません。

2.2 医療・教育・生活に関するもの

  • 高額療養費の自己負担上限額の引き下げ
  • NHK受信料の免除
  • 0歳から2歳児クラスの保育料無償化
  • 大学など高等教育の修学支援(授業料・入学金の減免や給付型奨学金)
  • 自治体独自の支援策(水道料金の基本料金免除、指定ゴミ袋の無料配布、公共交通の無料乗車券など)

高額療養費については、非課税世帯の低い上限額を窓口で適用してもらうために「限度額適用・標準負担額減額認定証」の申請が必要です。

2.3 NHK受信料の免除は非課税だけでは受けられない

8つのなかで、条件のつくり方がいちばん違うのがNHK受信料です。

日本放送協会受信料免除基準で全額免除の対象になるのは、障害者手帳を持つ人を構成員とする世帯で、その構成員全員が市町村民税非課税の措置を受けている場合です。住民税が非課税というだけでは対象になりません。

生活保護の生活扶助を受けている世帯は、公的扶助受給者として別の区分で全額免除になります。

半額免除のほうは、身体障害者手帳を持つ視覚障害者または聴覚障害者で世帯主である人などが対象で、所得の要件はありません。非課税世帯向けの制度ではない点に注意してください。

住民税非課税世帯の定義に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

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